AKITOのプライベートツーリング -HOKKAIDO 2002- 第2章

2002. 07. 26

僕は太平洋で船上の人となっていた。

海の彼方に広がるのは非日常の世界。
自分を縛るものはどこにもないけど、生命の保証もどこにもない。
ついにそんな世界へ飛び込む日が来たのだ。

そして20:40。北海道苫小牧港到着。
しかしここで問題に気づく。

「今夜どこに泊まろうかな?」

あてにしていた安宿に電話をかけてみるものの、残念ながらどこも満室だった。
かといって貧乏学生にホテル泊という選択肢はない。

ツーリングマップルを広げると、札幌定山渓の「道路情報館」という公共施設が目に入った。
夜の山道を小一時間走らせて到着すると、なんと24時間空いているとのこと。

誰も来なさそうだし、屋内のベンチで眠らせてもらおう。

道路情報館

現在位置



2002. 07. 27.

朝になると、人の気配で目が覚めた。
ここは公共施設だから、さっさと退散した方が良さそうだ。

早速荷物をまとめながら、さて今日はどこへ行こうと考えた。
このあたりは札幌の市街地が近いので、いまひとつ旅に来た感じがしない。
自然が残る道東を目指してみようか。

そう思い、北海道を東西に分断している日高山脈を超えることにした。

R38を東へ走っていると、すれ違うライダーからピースサインが。
僕もすばやくピースサインを出す。『お互い良い旅を!』。これが北海道の旅人同士の挨拶だ。北海道では、不思議なことに、旅人同士はたとえ初対面でもすぐに打ち解けてしまうのだ。
例えばコンビニで昼食をとっている時、他の旅人がやってくると

「あ、こんにちは」
「どうも!どちらから?」
「羅臼からなんですよ。あそこ熊出たから気をつけて!」

といった感じで、初対面なのに何故か会話が弾んでしまう。
これも北海道ツーリングならではの魅力の1つとも言えるだろう。

さて、SPITFIREは日高山脈の狩勝峠に到達した。

眼下に十勝平野が広がる。

そして峠を下ったものの、この日の宿泊予定地の帯広に昼過ぎに着いてしまった。
時間が持て余してしまいそうなので、ひとまずR273を大雪山方面へ北上してみることにした。

その途中、無料温泉の幌加温泉を発見。
川の中に湧き出た天然の温泉で、石で囲ってあるだけのワイルドな造りだ。
お金を取る人はいないけど、もちろん脱衣所もドライヤーも何もない。

迷わずダイブ!

道内にはこのような天然温泉が数多く存在し、無料で開放されている場所も多い。
そのほとんどは混浴露天となっていて、脱衣所が存在しない場所がほとんどだ。

温泉から出たら、すっかり夕方になっていた。
大雪山はもう少しだ!

森の中の道を走りだすと、風呂上がりの体にそよ風が心地いい。
この時、本州では連日36℃を超える猛暑だったらしい。

やがて三国峠に差し掛かった。

ここは道内最高所の道路。眼下にはどこまでも樹海が広がる。

そして大雪山へ。

とりあえずキャンプ場を探してみたものの、どこにもない・・・
おまけに真夏だというのにさっきから息が白くなるほど寒く、手足の感覚がまるでない!
こうなるといよいよキャンプ場以前の問題になってきた。

とりあえず層雲峡のGSで給油をすることに。

スタンドのおっちゃん曰く「ここらは夜になると8℃くらいまで下がるよ」

8℃!?
夜の時点でそれだけ寒いなら、翌朝にはどうなっちゃうんだ。
とりあえず、無料宿泊施設がある陸別まで南下することにした。

ところで、北海道には無料温泉に加え、無料あるいは格安で宿泊できる『ライダーハウス』という施設がある。
これはライダー、チャリダー、トホダーといった旅人向けの宿泊施設。建物は正直言って古く、相部屋で、寝袋持参でないと泊まれないところがほとんど。しかしオーナーの良心によって無料~2000円程度で泊まることができ、中には温泉つきであったり、男女別部屋であるところも増えている。もともとはお金のない若い旅人たちのために利益が見込めないほどの格安料金で提供してくれているところが多いので、旅人としては「泊めさせて頂く」という精神を忘れないようにしたい。

そしてライダーハウスの醍醐味は、何と言っても他の旅人たちとの出会いであると言えよう。
初めて出会ったのに、2時間後には一緒にビールを飲みながら笑っている事も珍しくはないのだ。

さて、SPITFIREは陸別の無料ライダーハウスに到着。
表にはセロー225が停まっている。

このライダーハウスは普段は選挙事務所として使われているらしく、ポスターが沢山貼ってあった。
「こんにちは!今日は寒いよね~!ここは結構快適だよ」。中に入ると、セローの旅人が現れた。

そのライダーハウスには、テレビや水道、コンセントがあり、無料にしてはなかなかの場所だった。
屋根があるところに泊れるありがたみを感じながら、セロー乗りの旅人と旅話に興じて一日が終わった。



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