さて、今日のネタは久々のバイク用品インプレッションしちゃうぞ。


今回登場するのは、アメリカのVenture社製のヒートウェア・Heatech(ヒーテック)。ユ◯クロのヒートテックと違い、バイクのバッテリーと繋ぐことでどんな寒い冬も「10秒発熱」で快適にツーリングが楽しめるのがウリです。

ヒーテックにはいろんなシリーズがあり、インナージャケットのほかインナーベスト、インナーパンツ、トーウォーマー、インナーグローブ、アウターグローブがあり、さらにインナージャケットにはバイクの発電能力に応じて1A、3A、7.5Aといったバリエーションがあります。セロー乗りの僕は本来3Aが丁度いいのですが、近い将来ビッグバイクに乗るつもりなので7.5Aをチョイス。

また、インナージャケットはグローブと、インナーパンツはトーウォーマーと接続できるジャックを備えているため、全てのシリーズを揃えても1つ1つバッテリーと直接繋ぐ必要がありません。というより、こんな便利なジャックがあるせいでつい全部揃えたくなってしまうわけで…

インナージャケットとインナーパンツからはバッテリー接続ジャックも1本づつ出ていますが、最終的には付属のY字コネクタで1本にまとめてバッテリーとコードで接続する形になります。この接続具合がなかなか絶妙で、走行中に勝手に抜けることがない一方で、コードを外し忘れて降車した時はスポッと抜けて痛まない造りになっています。ここのチューニングには結構苦労したはず。

ジャケット、パンツ、グローブは単体でも使用可能で、それぞれに過電流防止ヒューズ付のバッテリーハーネスが付属します。バイクを複数持っていればそれぞれにハーネスを着けておくといいかも。

さて、ここで実際に着てみることに。

ジャケット、パンツ共にインナータイプなので、革ジャンとジーンズの中に着る形となります。つまり、外見は今までのお気に入りの服装から変わらず、中でポカポカと発熱してくれるのでオシャレさんには嬉しい形式といえるでしょう。両者とも一応汚れたら手洗いできますが、いちいち毎回洗ってられないのでインナーパンツは下に薄手のヒートテック的なものを履くと良いでしょう。

コードがごちゃごちゃしているのが嫌いな僕ですが、靴下の上にトーウェーマーを着てパンツ側とコードを繋いでも思った以上に気になりません。コードが最低限の長さしかない上、肌に直接触れないせいでしょう。

しかし、知る人ぞ知るように革ジャンにジーンズなんて春や秋のバイクファッション服装。確かにスリムで見栄えがいいけど、中にヒートウェアを着込んだからといって真冬の地獄の寒さに耐えられるとは思えないが…

というわけで、いよいよ試乗!

この日の外気温は5℃。典型的な真冬の関東といった状況で、ヒーテックの実力を試すにはもってこいの環境です。
エンジンを掛けたセローに跨り、ヒーテックにバッテリーハーネスを繋げてスイッチをON!ここでのポイントは、セローのように発電量の低いバイクはエンジンを掛ける前にヒーテックのスイッチを入れないこと。バッテリーの容量次第では、ヒーテックに電力を食われてエンジン始動できないかもしれないので。

電源を入れるとスイッチが赤く光ります。ヒーテックは出力を3段階で調節可能で、Hiが赤、Midが黄色、Lowが緑。ちなみに電源投入後10分間はHi、その後は自動的にMidに落ち着くモードが搭載されていますが、もちろんスイッチで好きな出力に切り替えられます。

と、くどくどと述べている間にみるみる体が暖まってきます。これが本当に笑っちゃうほど急速に暖まるシロモノで、ホットカーペットやお風呂の追い炊きのようにじわじわと暖まるではなく、むしろ石油ストーブのパワフルな立ち上がり方に近いレベル。キャッチコピーの「10秒発熱」はウソではありませんでした。

その後、R413(道志みち)を抜けて富士山周辺を走りましたが、いやはや本当に暖かい。走るのが辛い真冬もバイクのベストシーズンに変えてしまう威力があります。冬は雨も殆ど降らず、空気も澄んで空も綺麗なので、あとは路面さえ凍らなければもともとツーリングにはいい季節だったのかもしれません。そして唯一のネックである寒さが消えたら怖いものなし。1年中楽しくバイクに乗れるという夢のような効果を考えると、バイク用品店でのセールの時に安い旧モデルを検討してみるのもいいかもしれません(僕もセールだったから何とか買えたんですが)。

ただし、セローを始めとした250cc以下でHiで使うと次回のエンジン始動が怪しくなるほどバッテリーを消費します。走行中は基本的にMidで使い、エンジンを切る5分前にヒーテックのスイッチ切る&あとは余熱、という工夫をすれば安心かもしれませんね。