消えゆくローカル線①

12/4、JR北海道の留萌本線のうち、留萌〜増毛(終点)が正式に廃線になりました。

廃線に至った正式な経緯はニュースメディアから詳しく報道されているのではしょりますが、要はJR北海道屈指の大赤字路線だったこの区間の維持が困難となったためです。

北海道といえば、僕は7回ほどバイクで渡ってツーリングしたことがあります。バイクで走るには大自然の広がる北海道はまさに天国ですが、いくら天国でも訪れる回数を重ねるごとに新鮮さが失われてしまうのは仕方ないところ。

そんなある夏の朝、僕はまたもや北海道の比布町(旭川のそば)のライダーハウス(旅人向け簡易宿)に居ました。外はザーザーの雨で、天気予報によると少なくとも午後まで降り続くという。

「今日は宗谷岬へ行きたかったけど雨じゃ仕方ないな」と思っていたところ、裏手にJR北海道の宗谷本線の比布駅があった事を思い出してふと立ち寄ってみました。

駅舎の手動式の引き戸をガラガラと開けると、8畳ほどの空間に手作りの座布団が敷かれた椅子が並んでいました。その近くには、これまた小学生の頃以来に見ただるまストーブ。本数のわずかな時刻表とは裏腹に、路線図を見るとべらぼうに広い範囲にたくさん散りばめられた4桁の料金。無人駅のため切符売り場や改札はなく、入ってきた反対側の引き戸を開けるとそこには砂利の1番ホーム。線路の上に架線はなく、電化されていない。

すげぇ…自分の知ってる駅とは何もかもが違う。

地平線の向こうへと続く線路に目をやったちょうどその時、遥か向こうからヘッドライトが2本のレールを光らせながら近づいてくるのが見えました。そしてホームに停車した、稚内行きのたった1両のディーゼル列車。車体を小刻みにブルンブルン震わせ、屋根の排気管から排ガスを出し、開いたドアから見えたのは料金箱。

ちょっとローカル駅を見学するつもりだったのに。ほんの暇つぶしのはずだったのに。数分後、僕は稚内行きの車中にいました。窓を伝う雨滴の向こうには、どこまでも続く針葉樹の深い森。シベリア鉄道かここは。

そして三浦綾子の小説「塩狩峠」で有名な塩狩駅で下車し、展示館を見学しました。すぐ近くを走る国道40号線にも峠超えのヘアピンカーブを含む旧道区間(廃道)があり、確かに劇中で暴走事故を起こすほどの難所だったことを体感。

帰りの列車から降りる頃には、あまり体感できなくなっていたはずの旅の新鮮さにどっぷり浸かっていました。

そして2011年夏。次に北海道を訪れた時に乗ったのが、まさに今回留萌本線で廃止された区間でした。

次回へ続く

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ