ジョルノ  ボアアップ(Final)

さて、今度はドライブプーリーだ。

ベルトケースの中はベルトがぶった切れたことでゴムカスが付着しまくってます。このエンジンは無駄に密閉性が高いので、しっかり綺麗にしとかないとトラブルの素。

パーツクリーナーと古歯ブラシでシャカシャカ綺麗にしたぜの図。スッキリさわやか!

こちらも絶望的にきったねぇケース側ですが、よく見ると小さなベルトの破片も確認できます。こんなの見ちゃったからにはキックギア外してオーバーホールですわ!

というわけで、こちらもパーツクリーナーと古歯ブラシでピッカピカに。キックギア部はもちろんグリスアップして100烈キックに備えます。

さて、今回のベルト切れを引き起こしたと思われるハイスピードプーリーと異形ウエイトローラー(Dr.Pulley、7g × 6個)ですが、今回は同じ重さのオーソドックスな丸型ウエイトローラーに換えることにします。ノーマルプーリー + 異形ウエイトローラーとの組み合わせとパフォーマンスを比較検証してみたいですが、現在ノーマルプーリーが無いため後日チャレンジしてみましょう。

ドライブプーリーとランププレートのそれぞれの表面にマジックでマーキングし、ベルトを挟むようにセットオン。スーパーディオZX(AF28)の純正ベルトは今や貴重な廃盤品なので、今度は簡単にぶった切るわけにゃーいかん!

そんなわけで組み上げ完了!

一見弄ってるようには見えない、道路の端っこを40km/hぐらいでトコトコ走ってそうな可愛らしいボディ。珍走小僧に目をつけられることもなく、盗難小僧に狙われることもなく、世紀末なバトルフィールドとは無縁の草食系バイクに”見た目は”仕上げています。

キックでエンジンを掛けると一瞬「ガボォ!」とやんちゃな音を立てるものの、それからは典型的な2スト原付の芝刈り機のようなアイドリング音。充分に暖機をして、テストコースへと飛び出していきます。

5月にエンジン不動になってコツコツ直して、気がつけば半年が経過。季節は2つ巡り、延々と車体を押し歩きした新緑の街路樹は間もなく紅葉に染まりろうとしています。

…時は満ちた。

全ての心配材料を納得のいくまで潰し込んだから、この先どんな結果が待ち受けようと後悔はない。

「行くぞ!!!」

スロットルを全開にすると、そのキュートな車体に似合わないトルクがアスファルトを蹴り上げ始めた。

やがて変速域に入り、スタート時の回転数をキープしたまま50km/hオーバーまで一気に引っ張ってゆく。エンジンを回し過ぎてないか耳をすませるものの、常識の範囲内でパワーバンドをキープといった感じで焼き付きの心配は無さそうだ。よし、いいぞ。

そして60km/hを超えてもなお加速度は衰えず、変速域の終わりを感じさせることなくエンジンのハイレボリューションゾーンに突入。ここからは純粋に高回転ポテンシャルで勝負する、ごまかしのきかない内燃機関の聖域だ。

さぁ魔改造ジョルノ

お前の本気を見せてみろ…!

ジョルノ 、未体験ゾーンに到達!!!

スピードメーターの針が見えなくなったところでゆっくりスロットルを戻し、エンジン冷却を意識した走行で自宅に帰還。

「よくやった…本当によくやったよお前!」

思わず失笑されてしまうようなオーバーな表現を敢えて使うなら、心臓部に致命症を追っていたジョルノをここまで仕上げてきた日々はまるでアスリートの卵を育て上げるコーチの気分でした。

追い込みすぎて破綻しないよう細心の注意を払いながらも、試行錯誤しながら少しづつポテンシャルを引き出してやること。沢山手が掛かったはずのこの日々に充実感を覚えたのは、きっと人間にはヒヨッコを一人前に育て上げたいという本能があるからなのかもしれません。

  • 羊の皮を被った狼に仕上げること
  • 絶対にエンジンを焼き付かせないこと

この2つを目標にアラフォーが組み上げたおもちゃとしては、とても満足のいくものに仕上がってくれました。もともとは市内のラーメン屋を巡る足でしたが、これからはちょっとした下道ツーリングにも活躍してくれるでしょう。

そして、今日は早速PCXとのバトルを楽しみましたが(笑)

(完)