AKITOのプライベートツーリング -HOKKAIDO 2002- 第6章

2002. 07. 31.

開陽台の朝。

霧の中にうっすらと浮かぶ、神秘的な山々。
ここは視界が良ければ北方領土の択捉島が見えるという。

他の旅人はテントを畳みはじめている。出発の刻だ。
バイクに荷物を全て積載し、丘の下の駐車場まで下る。

そこにあったのはハーレー・ショベルヘッドのリジッドチョッパー!

す・・・すごい。すかさず写真を撮らせてもらった。
オーナー曰く「これ、凄く疲れるよー。こんなんで北海道に来るもんじゃないね(笑)」

さぁ出発!
今日は北海道の北東の果て・羅臼を目指そう。ツーリングマップルを見ると、開陽台から羅臼までの間にも無料天然温泉が点在している。寄りやすい、ということで、標津町の山奥に沸く「薫別温泉」に寄る事にした。

温泉の前に、朝食をとるため標津の集落「古多糖」の商店に寄り道をしてみた。
歩道に腰掛け、菓子パンと牛乳をほおばる。
商店の前の道路は、一直線に視程の果てへと続いている。
ここは時間がゆっくり流れている。

腹ごしらえも済んだし、そろそろ行くか。薫別温泉は近い。
ふと店に目をやると、商店の子供が珍しそうにSPITFIREを見ている。
数10年後には、もしかしたらこの子も旅をするようになるのかな。

温泉が近づくにつれ、道は次第に激しいダートに姿を変える。
こんな携帯の電波が入らないと山奥でパンクすると大変なので、スピードを20km/hに落として進む。そう、温泉のある山奥と言っても、いわゆる「温泉街」とはかなり程遠い感じなのだ。

薫別温泉に到着。

左のバケツが置いてあるところが温泉。

この温泉は、岩をくりぬいて作った湯船の壁面から熱い湯が湧き出ている。温度を下げるには、バケツで下の川の水を入れて調整するという、何とも野性味溢れる温泉だ。ちなみに下の川、底面が黒く見えるところの水深は15mほどにも見えた。

30分程温泉に入っていたら、他の旅人が来たので明け渡す。
空模様が怪しくなってきたので、急いで今日の宿泊場所である羅臼へ向う事にした。

途中、「道の駅・らうす」で天気を確認する。週間予報・・・雨、雨、雨!雨!!・・・雨だらけ!!!!
こいつは困った・・今夜はテントは諦めよう。

羅臼。北海道の北東の果ての地。

1時間後、僕はまだ「道の駅・らうす]でツーリングマップルを広げていた。
どこに泊まろう・・・ん?ここから更に知床岬(地図のとがった部分)へ進むと、宿があるぞ?よし、今日はこの「ライダーハウス熊宿」に泊まろう。しかも助かったことに無料だ!
この熊宿は土産店のオーナーの善意により設置されている無料ライダーハウス。本当にありがたい。

小さな商店で食料を買いだめし、「ライダーハウス熊宿」へと急ぐ。
外は既に薄暗く、霧雨が降っている。

ちなみにここ羅臼にも無料露天温泉が2つ存在する。
その名も「相泊温泉」と「瀬石温泉」。
両者とも海岸から湯が沸きあがる温泉で、晴れた日には北方領土の国後島を眺めながら入浴できる。

特に相泊温泉は男女別になっていて、仕切りや簡易ロッカー、洗面器もあり、
また地元の方々が日常的に風呂代わりに利用しているので、女性も安心して利用できる。

しばらく知床岬方面へ進むと、道路が途中で終わっている。
どうやら、ここが岬方面へ行く道路の終着点らしい。
ふと横に目をやると土産屋があり、その前にバイクが数台並んでいる。
「ここが熊宿だな!やっと着いたぜ!」

SPITFIREの排気音を聞いたのか、店の中から若い店員が出てきた。
「おぅ兄ちゃん、泊まるとこは店の裏だよ!」

「でさー、その時俺のバイクをいきなりブチ抜いてったのがいてさ」
「マジで!?一体どんくらいですっ飛ばしてたんすか!」
「うっわーすごいなぁ、俺は1回事故ってから全然とばせなくなっちゃった」
その夜は、若い店員1人と旅人3人の計4人で飲み会をやっていた。

この若い店員は全国を旅している旅人で、2年前、この羅臼でお金が尽きたところを土産屋の主人に拾ってもらい、ここで住み込みで働きながらお金を貯めているらしい。
ちなみに彼のマシンは、最高時速が160km/h以上出る(!)N1仕様のNSR50。

他の2人の旅人はSV400の大学生と、マジェスティの社会人。
それぞれ立場は全く異なっているが、やはり旅をしている者同士。
この夜も大いにバカ騒ぎで盛り上がった。

一瞬、ふと妙な感覚に襲われる。
(あれ?この感じ・・・何だかひどく懐かしい感じがする。何でだろう・・)

熊宿の前にバス停があったので、時刻表を見てみたら
なんと1日2本、しかも夏季のみの限定運行。秘境すぎるだろ・・・



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