「ミリオンヒットが生まれない」「音楽市場は死んだ」
そう言われ始めてからもう10年は経っただろうか。
確かにCDランキングを見ると軒並みジャ○ーズやA□Bグループ、E×ILEグループに支配され、色んなグループが入り乱れていた90年代が懐かしくなる。
もういい歌は出てこないのかもしれない。
頭からそう決め付け、また日々の忙しさでめっきりTVを観なくなったことで、ここ10年ほどはiPodに新しい曲を殆ど取り込むことはなかった。
しかし、毎日寿司を食べると飽きるように、いくら高音質のヘッドホンを用意したところで同じ歌ばかり聴いてると退屈を通り越して苦痛になってくる。
やっぱり、どんなことでも定期的に新しい要素を取り入れないと駄目だな。
そう思い、最近の若い人が好む歌を大量に聴いてみた。聞いたことのないグループ名もかなりあり、自分が浦島太郎なことを痛感しつつ、意外といい歌がいっぱいあることがわかった。
その中にはハモンドオルガンで弾いて気持ちいいものもあったので、そのうち「弾いてみた動画」をニコニコ動画にアップしてみたいなーと思った。
面白いものは意外と近くに転がっていた。
「どうせ」「所詮」と頭から頑固じじいみたいに決め付けずに、若い人にならって「もしかしたら」という刺激を楽しんでいこう。
そんな僕も今日で34歳。
音楽が簡単に手に入る時代。
音質等を気にしなければ無料で簡単に手に入ったり、有料でダウンロードしても、やはり実体の無い物と言うのは・・・飽きれば簡単に消去されてしまう。
俺が中学生の頃、僅かな小遣いで買ったCD。流石にこんな表現は当てはまらないが、正に『テープが擦り切れる程』聞き込んだ。
アルバム全12曲、全ての歌詞を覚え切れる程聞き込む。
だから当時のCDは一枚一枚思い入れがある。
当然歌詞カードも擦り切れる程見ている。
そこにあるクレジットも楽しいもんだ。サポートアーティストの名前を見ると、あの人が?とかね。
歌詞カードの無い、ダウンロードした曲ではそういう発見て無いよね。
ネットでは調べたい事しか情報として入ってこないからね。
音楽に目覚め、音楽的価値観のベースとなる思春期に、こんな聞き方が出来ない今の時代は、便利ではあるけど不幸だと思う。
だから流行り廃りの激しさはとんでもない加速力を得てるんだろうな。
アルバムのブックレット…聴覚に加えて視覚もジャックして作り手の世界にどっぷり引き込んでくれる貴重な存在でしたね。クレジット表記もその曲から横方向へ興味の対象を広げてくれました。部屋を薄暗くして、都会の夜景のようなコンポのディスプレイの前でブックレットを眺めながら聴き入った…なんて書いてる僕もおっさん(笑)。
今の若い人は音楽をスマホ+付属イヤホンで「情報のひとつ」として堪能するらしいです。