ジョルノ  エンジン修理⑥

さーて、エンジンハンガー部やリヤサス部のブッシュも新品に打ち替えたし、いよいよクランクシャフトをクランクケースに組んでいっちゃうYO!

クランクケース左右の合わせ面に残っている古い液体ガスケットを綺麗に除去します。こびりつきやすい紙ガスケットと違い、市販の金属磨きで磨けばたちまちピカピカになってくれるのは嬉しいところ。特に、プーリーカバー等といった駆動系セッティング時に頻繁に開ける場所は紙ガスケットよりもこっちがいい気がしてきました。

合わせ面が綺麗になったら新しい液体ガスケットを塗布します。今回はキタコ製の耐油タイプを使用。値段も300円台と手頃で助かりますが、近所にバイク用品店が無いから予めヨドバシドットコムで取り寄せていたものです。バイク弄り中に足りなくなったら気軽に買いに行けるバイク用品店が恋しい…

そして、いよいよクランクシャフトをクランクケース(左側)にインストール。以前クランクサイドベアリングをクランク左右に圧入しましたが、今度はこのベアリング外径部をクランクケース左右内側の凹部に圧入させながらケースを閉じていく必要があります。

この作業をするには、クランクシャフトをクランクケース外側から専用工具「クランクシャフトインストーラー」で引っ張る必要があるそうですが…あいにくそんなもの持ってナッシング。しかし圧入となるとハンマーでカンカン打ち込むのは気が引けるので、クランクケースセパレーターでクランクシャフトをクランクケースに車体内側からじわじわと押し込むことにしました。プレス機のように丁寧に押し込むから、ベアリングも問題なく圧入できるだろ!セパレーターを逆に使うなんて俺って天才!

(これが後に恐ろしい結果を招くことに…)

クランクシャフトが左側クランクケースに圧入できた(ように見えた)ので、次は右側クランクケースをはめてボルトを締めていきます。6つの合わせ面ボルトを均等に規定トルクで締めていけば、クランクシャフトが中央から少しづつ顔を出し、クランクケース左右の隙間も徐々に閉じていきます。よし、エンジンばらしの最難関を突破したぞー(有頂天)

クランクケース左右を閉じおわり、クランクシャフトを手で回してスムーズに動くか確認してみます。左側から覗いてみると…あれ?オイルシールとの隙間が一部広い。というより明らかにシャフトが偏心してやがる。これはアレだな、きっとベアリングをケース内側に圧入した時に斜めに引き込んでしまったんだろう。エンジンばらすのも面倒なので、プラハンでシャフトをガンガン叩いてやるとクランクシャフトとオイルシールの隙間が一定になり、よりスルスルと回転するようになった(ような気がした)のでOK⁉︎

この後は一気に組み上げて、30回ほどキックをかますと久々にエンジンが目覚めました。何か以前とエンジン音が違う気もしましたが、ベアリングを新調したことのメカノイズの変化だろという謎のポジティブシンキングと共にいざ発進!

ん~、普通に走るけどなんか炭酸の抜けたコーラみたいにトルクが薄いような…2スト原付の持ち味である下品なロケットスタートができず、スロットルをぐいっと捻っても4スト原付みたいな行儀の良い発進しかできません。最高速も5km/h近く落ち込んでしまい、期待していた爽快な走りとはならず。おまけにアイドリング状態ではブルブルという不気味な振動に見舞われる始末。ベアリングを新調したのに振動が増えるのは明らかにおかしい…

というわけで急遽自宅に帰り、プーリーカバーを開けた状態でアイドリングをさせてみると、ドライブプーリー(というよりクランクシャフト)がぶるぶる暴れてるカオスな状態を視認!振れ幅は数ミリはあるんじゃないかという絶望的な状態に、「こりゃ内部で何かが起きてるな」と覚悟を決め、再びクランクケース左右を開けてみました。

すると…

アッー!!!

(つづく)