ここ最近整備をしていたヴェクスターですが、今日ついに新オーナーのもとへ旅立ちました。
先方はヴェクちゃんの置いてある実家まで取りに来てくれると言ってくれてたのですが、Akitoとしては20代の思い出が詰まったこいつと最後のツーリングをしたいので、30km先まで届けに行くことにしました。
おっと、その前にいじっておきたい箇所が。
キャブ車のヴェクスターは真冬の始動性がいまいちですが、キックペダルが無いのでセルの回し過ぎでバッテリーが上がると困る!というわけで、せめてバッテリーを上がりにくくするためにLED化で消費電力を抑えます。いつもの安物ではなく、光量と配光特性に優れたちょっといいやつを奢ったのは、旅立つ愛車へのせめてもの餞(はなむけ)。
ウエイトローラーの減りをチェックして、モリブデングリスを塗布。これを知らずに乗り続けてた23歳の頃、ウエイトローラーがバラバラになって坂道が登れなくなった事を懐かしく思い出しながら淡々と作業をする。あれからもう10年経ったんだな。
そして今度こそ完成。
SPITFIREとTryfinityの間をつないでくれたこいつには色んな思い出がある。
キョウヤと愛知万博へ行った。
仲間と秩父へキャンプも行った。
カップ焼きそばも運んだ。
林道や廃道も攻めた。
当て逃げ野郎を尾行した。
窃盗の下見をしてる不審車の後をつけた。
しかし盗まれてしまった。
そして5年後に発見され、復活させた。
長い年月を共にした物に情が移ってしまうのは俺の悪い癖だ。だから乗る機会が無くなってもなかなか手放せなかったけど、その力を必要としている人のもとで活躍してくれた方がこいつも幸せだろう。
そして新オーナーは知人だから、引き渡し後の様子を伺うこともできる。困った時は力にもなれるはずだ。
そう思いながら、湘南の海沿いのR134を東へとヴェクスターを走らせた。ファイナルツーリングとしてはいまひとつの空模様だったけど、青い空と太平洋の景色は新オーナーに譲ることにしよう。
じゃあ、元気でね。