転倒事故③

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「良かったな、奥で手当てをしてくれるってさ!」

ふれあいの館から仲間が戻ってきてくれた。どうやら傷口を手当てするガーゼや包帯は売っていなかったものの、総合交流施設である鳥居原ふれあいの館に常備されている救急セットで処置をしてくれるらしい。ホントに有難い…

脚をひきずりながら建物に入ると、施設の人たちが心配そうな様子で車いすを用意していてくれた。大ごとになってしまったな…と思いながら、処置をして頂けるという奥の部屋へ案内された。

既にそこには救急セットが持ち込まれていて、真っ赤になっている右膝の処置をして頂けることに。伸縮性のないジーンズの裾を上げることはできなかったものの、肝心の部分はビリビリに破けていたので脱がずに直接処置をして頂けることに。しかし…

「うわぁ…」「あらら、痛そう」

流石に顔をしかめる職員の方々。そりゃそうだ。というか仕事の邪魔をしてこんなグロいものを見せつけて申し訳ない…と思っていたその時。

「あたし見慣れてるので任せてください」

その中でも一番若い女性の方が、明らかに慣れた手つきでてきぱきと処置し始めた。この方…ふれあいの館の売店のエプロンを身につけているものの、一体どこでこんな経験を?

ご本人聞いてみると、地元の看護科の大学生さんとの事で、こういうことは実習で沢山経験しているという。早速人の役に立てて良かったとはにかんだ彼女には、間違いなく白衣の天使の姿がダブって見えた。

そんなこんなで何とか家まで状態に処置して頂けたので、お礼として売店のゆずようかんを差し入れて僕たちは宮ヶ瀬・鳥居原を出発した。パイプ剥き出しのひん曲がったハンドルに、ビリビリに破けた革グローブで慎重に走るうちに、走行風が当たる右手の小指の痛みが増してきた。さっきまでは脚の痛みに気が取られていたけど、右手も転倒した時にグローブが破けたことで小指が少し削がれてしまい、一部生爪状態だったのだ。

おそらく傷あとが死ぬまで消えないであろう膝に比べちゃ大分マシだけど、爪が伸びきるまでは数ヶ月不自由な日が続きそうだ。

そんなことをぐるぐる考えながら街中を走るうちに、何とか自宅へ到着した。友人は帰る方向がまったく違うのにも関わらず伴走してくれて、しまいにはドラッグストアや病院まで付き添ってくれた(日曜日のため空いてる病院は見つからなかったが)。この男は高校時代からの友人だけど、最近の方がずっと濃い付き合いになっている気がする。完治したら美味いメシをご馳走しなきゃ。

「その程度で済むとは悪運だけは強いな」

別の仲間に言われた言葉だけどまさにその通りだと思った。バイクはまた直せばいい。ただし走り方は変えないと次はこの程度のケガでは済まないかもしれない。

まず、今回の転倒事故の一番の要因は古いブロックタイヤでコーナーで倒しすぎたことだ。中古で入手した社外ホイールに付いていたミシュランのオフロードタイヤ(製造終了品)はひび割れが目立ち、春には新調する予定だったものだ。

つまりタイヤとしての性能が見た感じ明らかに低下していたにも関わらず、それを忘れて攻め込んでしまったのは自責としか言いようがない。

また、安全靴は履いていたもののプロテクターを装備していなかったのもまずかった。たとえ今回タイヤが古くなかったとしても、コーナーリング中に鹿とかが飛び出してきたらどっちみち転倒していたのは間違いない。

たとえばちゃんとしたタイヤを履くことが事故を未然に防ぐアクティブセーフティだとしたら、それでも事故ってしまった場合の被害を最小限に食い止めるパッシブセーフティの1つがヘルメットやプロテクター等の装備だといえる。

僕はヘルメットは一流ブランド・SHOEIのジェットヘルメットを使っているけど、考えてみればプロテクターを着けていなければ体はノーヘル状態。頭だけ守っても意味がないのだ。

とにかく、これから数週間は病院通いをすることになってしまった。それでも友人が言うようにたまたま悪運の強さで骨折もなく仕事にも支障がでない程度で済んだけど、もし転倒した後に壁に激突したり対向車に轢かれたら手足がもげていたかもしれない。

この事故から学べなければもう乗り続ける資格はない。右側がガリガリに壊れた愛車・セローがそう諭してくれた気がした。

(事故編 おわり)

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