ジョルノ  ボアアップ(11)

せっかく新調したばかりのドライブベルトがぶった切れてしまったジョルノちゃん。

またベルトを新調したところでどうせ再発は避けられないので、根本的な原因を突き止めて改善する必要があります。

そんなこんなでスクーターの駆動系についてネットで色々調べてみると、色んなことが判ってきました。いや~ネットってホント便利!開発したアメリカの軍事機関有能すぎて震えるぜ!

そうして調べるうちに、ベルト切れの根本的な原因ではないものの、ドリブン側の「強化センタースプリング」が駆動系の各部に負担を掛けることが判りました。

センタースプリングには、ドライブベルトに適度な張力を持たせるテンショナーとしての役割があります。それにより、ドライブプーリー(エンジン側)からドリブンプーリー(タイヤ側)へベルトスリップを抑えつつ動力を確実に伝達することができます。

このセンタースプリングの張力強化のメリットとしては、ベルトスリップロスの低減による加速レスポンスUP(特にエンジンチューン時)、一方デメリットとしてはパワーロスによる最高速と燃費効率のダウン、そして駆動系(ベルト、ウエイトローラー、ベアリング等)への負荷増大といったところでしょうか。

つまり、センタースプリングはベルトスリップさえ発生しなければ弱くした方が効率がイインジャネーノ?と思ったわけで。

というわけでさっそくバラしていきます。

以前から着いていたデイトナ製10%強化スプリングが出てきましたが、ここで何か違和感が…

「なんでスプリングのあんなとこにスペーサーが?」

こちらはAF24ジョルノやAF28ZXに搭載される縦型シリンダーエンジン(AF18E型)のドリブンパーツ構成図。さっきセンタースプリングの先端に着いてたのはスペーサーは12番の部品ですが、なんと本来の位置と逆に着いていたことになります。10年以上前に一度この付近をバラしたことはあるんですが、この組み付けミスが自分によるものか、それともこのAF28ZXエンジンの前オーナーによるものかはわかりません。

しかし、このスペーサーの誤組付によって強化センスプの動きが悪くなっていたこと(詳しくは後述)、そしてスペーサーフランジ部板厚分のプリロードが掛かってしまっていたことは間違いなさそうです。ベルト切れに直結するほどの事ではないにしろ、駆動部に少し余計にストレスが掛かっていたことでしょう。

というわけで、ようやく今回の新アイテム

3%強化センタースプリング(デイトナ製)

の登場です!

駆動ロス低減を狙って張力を10%強化 → 3%強化にダウンさせたものの、純正のセンスプにしなかったのはボアアップ等によるパワーアップを考慮したためです。デイトナ製にしたのは、今回外した同社製10%強化センスプと色分けされていて管理が楽だから。

箱の裏を見ると、スペーサー(純正スプリングカラー)を外すよう指示書きがありました。これはおそらく純正よりスプリング線径が太くなったことでスペーサーと干渉し、センスプがスムーズに伸縮しなくなることで加減速時にベルト張力を一定に保てない(=スリップロス発生)のおそれがあるためでしょうか。

っちゅーワケで、早速3%強化センスプをドリブンAssyに組み込んでいきます。10%強化センスプとスペーサー(左側奥)は物置の奥で永い眠りについてもらいましょうw

(次回、いよいよ最終回!)