さて、ボアアップピストン(Φ47mm)をコンロッドに組み込んだので、いよいよシリンダーを装着していきます。
まずは前準備として、かじり防止のためにシリンダー内壁にたっぷり2ストロークオイルを塗り込んでおきます。エンジン動作中はガソリンと一緒にオイルが供給されますが、エンジンが始動する瞬間はオイルがまったくない状態からのドライスタートになって摺動部を痛めてしまうためです。
片手でピストンリングを縮めながら、もう片手でシリンダーをゆっくり装着していきます。少しでも抵抗があれば無理せず、ピストンリングが縮められているか慎重に確認します。無理矢理入れようとするとピストンリングがすぐへし折れるので注意!
シリンダーを組み込んだら、ガスケットを装着してからシリンダーヘッドを組み込んでいきます。
片手でクーリングファン(クランク軸)をゆつくり回して内部のピストンをゆっくり上下させながら、シリンダーヘッドのボルトを対角線上に少しづつ規定トルクで締め付けていきます。こうすることで腰上部品一式(シリンダー、シリンダーヘッド)がピストンが均等に当たる位置にセンタリングされるというわけです。
最後にファンカバー(エンジンシュラウド)を着けて、ひとまずエンジン本体は完成!このままマフラーとボディを着けてスタコラ走り出したいところですが…排気量が50%近く上がって熱量も相当上がることが予想されるので、まずはしっかり焼き付き対策を施すことにします。
(つづく)