そんなこんなで、クランクシャフトAssyの摘出に成功したジョルノ君。クランクシャフトは両サイドのベアリングでクランクケースに保持されている構造ですが、これがゴリゴリ音と共にスムーズに回らないので、やはりこいつが原因で間違いなさそうです。
クランクシャフト両側に圧入されているクランクサイドベアリングを外します。まずはベアリングリムーバー左右を締めつけてベアリングの隙間に爪を引っ掛けて…
外側にベアリングをじっくり引き抜く!
ここで組み合わせたのは昔ドラッグスターをバラした時のヤマハ純正フライホイールプーラー。18年ぶりの活躍です。
こちらが引き抜いたクランクサイドベアリング。
パッと見では問題ないように見えても、インナーレースが破断して一部のボールが剥き出しになっています。ここで撒き散らされたインナーレースの破片が回転部に巻き込まれたことで摺動抵抗が一気に増え、エンジン回転中の異音やセルモーターでの再始動不能に繋がったものと思われます。
こちらはクランクケース内部のクランクサイドベアリング圧入部。何やらゴリゴリと削られた痕跡がありますが、おそらくインナーレースが接触した痕でしょう。ジョルノ君が不動になる寸前はなかなかヤバ~い状態だったことが想像できます。
というわけでサクサク直しちゃるぜ!
こちらはモノタロウで注文していた純正部品たち。発売してから30年経っている車体のため、エンジン以外にも色々リフレッシュするべく複数揃えときました。今や電動化の時代で貴重な存在になりつつある2スト原付、ここで時計の針を1992年当時に戻してやりましょう。
さっそく新しいベアリングをクランクシャフトに圧入します。といってもプレスなんて本格的なものは持ってないので、ホムセンで調達した水道管用の塩ビパイプを使ってハンマーでカンカン打ち込みます。
というわけで、クランクシャフトの両サイドに新しいベアリングを圧入できたぜ!試しに回してみると、当たり前ですが「シャーッ!!」とハンドスピンナーみたいに勢いよく回り続けて気分上々!エンジン腰下を全バラしないと交換できないという面倒なプロセスがありましたが、今まで長きにわたって高熱、高回転、高荷重が掛かる過酷な環境で今まで頑張ってくれたベアリング君のご冥福をお祈りしつつリフレッシュできました。
これを組み付けて再び走る日が待ち遠しいってなもんよ!
(つづく)