お次はスバルブース。水平対向シンメトリカルAWDでの抜群の走行性能で強固なブランドを確立しつつある同社。今回ワールドプレミアされた車種には特に新しい技術を採用したものは無いのですが、少しビビっときたのが「インプレッサ 5-DOORコンセプト」。

  
元々はレガシィの弟分として始まったインプレッサの歴史ですが、次第にWRXモデル等で兄貴をも凌ぐパフォーマンスを誇るようになり、次第にモータースポーツ界でその名を轟かせるようになったのは周知の通り。ただ、個人的には内外装のデザインに質感が足りていないのが残念でした。いざエンジンを掛ければいつまでも走っていたくなるともっぱらの評判のインプレッサですが、どうせなら眺めてる時からワクワクするデザインにすれば鬼に金属バットなのに。

  
そう思ってた人が多いのか定かではありませんが、今回随分気合いの入ったデザインのコンセプトカーが発表されました。全体のスタイルも深い彫りのフロントフェイスも質感が高く、まるでちょっとしたCセグメントのプレミアムカーのよう。かつてカローラと肩を並べていた初代のデザインを思うと隔世の感があります。

一方、パワートレインに関しては何の言及もありませんでしたが、お客はスバルに並以上の走行性能を当然期待しているので、このコンセプトカーは「次期型インプレッサはデザインも頑張るよ」というスバルの明確なデザイン意思を示したものではないかと思います。

あとはあのコの字型のLEDヘッドランプで光量をどう確保するかと、全幅は1.8m未満に収まるかどうかが気になるところ。あくまでプレゼンスが目的のコンセプトカーは公道走行の法規要件やモノづくりの生産要件をほぼ満たしていないため、市販化するにはそれらやコストを満足するために現実的な形に落ち着いてしまいます。

理想的なデザインをどれだけ妥協せずに市販できるかがクルマ屋の技術の見せどころですが、果たしてスバルはどれだけやってくれるのか。

数年後の答えが大いに楽しみです。