三菱自動車による、軽自動車「eKシリーズ」の燃費不正測定が発覚しました。かつて2000年に発覚した組織ぐるみのリコール隠し事件以降、顧客離れが進んで売上ガタ落ち→新型車出せない→売上更に落ちる→新型車(略)、という負のスパイラルからなかなか抜け出せなかった同社ですが、近年ようやく回復基調に乗り始めた矢先のこの不正。本当に残念でなりません。
いくら三菱グループが財閥とはいえ、近年は資源高とか円安で苦しいらしいし、前回みたいに救いの手を差し伸べるかどうかは怪しい。加えて、あれほどのリコール隠し騒動を経ても現場が異議を唱えにくい社内体質を変えられなかったとすれば、いよいよJALのように自滅するかもしれません。
そうなれば本当にもったいない。特に三菱の四駆の技術は本当に素晴らしいし、もしミニバンを買うことになったら、決して豪華ではないが退屈さとは無縁の本格オフローダーのデリカD:5とか検討したでしょう。世間の白い目の中、長年歯を食いしばって真面目に頑張ってきた販売サイドもかわいそうです。三菱自動車の記者会見によれば、今回の指示は現場の部長によるものとの事ですが、関連業者が明かす閉鎖的な社内の空気と合わせて企業文化が結局昔から何も変わっていなかったと断罪されても仕方ない気がします。
もし三菱自動車の高度な技術が消えるとなると悲しいですが、前回に懲りずに再び世間を欺いた(と世間に判断された)となればいよいよ三菱自動車の存続は厳しいかもしれません。そもそも殆ど参考にできないJC08モード燃費自体が近いうちに見直されるようですが、それと今回のことは別問題。

三菱自動車にとってかつてない正念場が訪れようとしています。