V-BOOST (YSP高井戸製)

V-BOOST (YSP高井戸製)

SPITFIREのカスタムが進むと、「兄ちゃん、でっかいバイクに乗ってるねー」とい見知らぬオヂサマたちに声を掛けられる機会が多くなりました。

迫力のあるガタイにメカニカル感剥き出しのクロームモーターサイクル。
普通二輪免許しか持たないバイク乗りたちにも、こんな本格的なアメリカンスタイル楽しめるようにした国産400ccクルーザーの功績はとても大きいでしょう。

しかし、そんな400ccクルーザーにも一つだけ大型クルーザーにどうしても及ばないものがあります。

それはPOWER

250kg台の大型アメリカン級の車両重量に、32馬力程度のおとなしいエンジン。
パワーウェイトレシオでいえば2500cc(自然吸気)のクルマ並なのですが、ここぞという時にスロットルを捻るとエンジンが盛大にうなる割に猪突猛進なアメリカンパワーとは無縁のまったり加速。

大型と同じにしろとは言わないけど、もう少し外見に似合うだけのパワーが欲しいなぁ・・・・・

そんなワケで、やっちゃいました、V-BOOST!

V-BOOSTとは、同じヤマハの初代V-MAXの海外モデルのみに搭載される、インテークマニホールドのバイパス機構です。
本来は独立している複数のインテークマニホールド同士を6000rpm付近で電磁バルブで連結することで、シリンダーに元々繋がっていたキャブレターの他に本来休んでいるはずのキャブレターの混合気も同時にシリンダーに供給。その結果、高回転時にビッグキャブレターに換装したのと同じ効果を生み出し、より多くの爆発力を得ることができます。ちなみに、V-BOOSTが装着されている海外モデルのV-MAXのパワーは国内モデルのおよそ1.5倍を叩き出しているという・・・

V型2気筒のドラッグスターも、2つのシリンダーにそれぞれ1つづつのキャブレターが割り当てられています(ツインキャブレター)。このキャブレターからシリンダーまでのインテークマニホールド同士をパイプでバイパス(連結)させ、V-MAXのV-BOOSTのようにパワーアップさせてしまうのがドラッグスター用のV-BOOSTなのです。

ただし、V-MAXのように6000rpmで電磁バルブで連結するシステムではなく、エンジン回転数に関係なく常時連結されるタイプ(フルタイムV-BOOST)となります。そのため低回転域では混合気が多すぎて始動性やレスポンスが少々低下するのですが、中高回転域でのピークパワーはノーマルエンジンとは明らかに一線を画す爽快なものに変化します。「見た目だけ」と揶揄されがちな400cc国産クルーザーですが、見た目とは裏腹のスポーティな性質を手に入れることができ、特にノーマルや2in1などの集合タイプのマフラーを装着しているとパワーアップの効果が高いとのことです。

更に、V-BOOSTを語る上で外せないのが、国産クルーザーらしからぬ不均等爆発のアイドリング音。それまでの「ドドドドドドド!」というアイドリング音が、「ドドッ!ドドッ!ドドッ!」に変化します。
これはおそらく、ピークパワーを重視するフルタイムV-BOOSTの性質上、どうしても低回転域でのセッティングが崩れ気味になることが原因だと思われます。しかし、ハーレーのような不均等なアイドリングが好きなクルーザー乗りにとってこれほど嬉しい副作用は大歓迎!

ちなみに、2本のインテークマニホールドを連結するV-BOOSTはツインキャブレター以外への組み込みは不可能で、ミクニ製のTM40キャブ(アメリカンドラッガーズ)やSUキャブ(イージーライダース)といった社外のシングルキャブレターへの組み込みは残念ながら不可能です。しかし、社外のCRツインキャブレターには社外キャブの中で唯一組み込む事が可能。あまり知られていませんが、CRツインキャブとV-BOOSTを組み合わせると最強のエンジンチューンとなり、最もパワーアップするとか・・・

さて、このドラッグスター用V-BOOSTキットですが、東京都杉並区にあるYSP高井のオリジナル商品です。しかし、全国のYSPへの取り寄せが可能で、取り付けとセッティングもできるとのことです。

料金(工賃含、税別)は5万円(2002年当時)。
※現行のフューエルインジェクション車に装着できるかどうかは不明

V-BOOSTについてまとめると・・

【長所】
・中高回転域のパワーが明らかに上がる
・外見はほとんど変わらない
・車検も今まで通り問題なし
・燃費は思ったほど下がらない
・季節ごとの面倒なセッティングとかは不要
・国産バイクらしからぬ不均等なアイドリングになる
・お店では装着と同時にキャブセッティングもしてくれる
・「俺のドラッグスターにはV-MAXの遺伝子が…」という謎の優越感

【短所】
・1年中チョークでの暖気運転が必要
・エンジン特性が若干ピーキーになる
・冬はそれなりにパワーダウンする
・マフラーは2in1でなければ効果が薄い
・飛ばすのが楽しいので家に帰りたくなくなる
・飛ばすのが楽しいのでタコメーターを着けたくなる
・飛ばすのが楽しいのでおまわりぴょんの影が忍び寄る



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