当バイクサイトMidnight Spiritの復活オープンから1年。

うだるような暑い日々はすっかり遠のき、気がつけば山の木々は紅葉色に色づき始めていた。
バイクで走るのが気持ちいいこのシーズン、いっそ久々にツーリングを主催しちゃおうか!

というわけで、MidnightSpirit復活1周年記念と銘打ってツーリングをすることにした。
行き先は定番の奥多摩、秩父に加えて今回はなんと「廃墟探索」もアリ!
一体この先どうなってしまうのか!?

そんなわけで当日。


うわっ…私の空気圧、低すぎ…?

なんだこのフワッフワすぎるタイヤ空気圧は。低反発まくらかよ。
特にアドレスV125は車重が85kgと軽く、多少空気が抜けていても潰れることなく普通に走れてしまうので、こうしたゲージを使ったチェックは欠かせない。
何てったって今日はガッツリ走るからね!

ってなワケで空気を補充して、集合場所のサンクス八王子インター店へ。
デキる男は待ち合わせ30分前に到着、それがLeaderのRuleさ…

という感じで久々に気合を入れて待っているものの、待てど待てどだ~れも来やしねぇ。
スマホの地図でルートを確認していると、やがてメンバーが1台、2台と集まりだした。
いつもの仲間から十数年ぶりの方まで実にさまざま、中には100km遠方からや仕事の合間をぬって参加する猛者も。熱い、熱いぜそのほとばしるスピリッツ。

というわけで定番のメンバー紹介だ!

・hori:VTR250。参加表明していなかったのに集合場所にいるという神出鬼没な千葉県民
・やまも:セロー250。落ち着いたように見えても突如繰り出す急角度なツッコミに要注意
・青ダイナ:ダイナローライダー。ロングフォークに変貌を遂げ14年ぶりに登場も途中離脱
・白ダイナ:ダイナスーパーグライド。人間凶器の彼にとって重いクラッチも筋トレの一環
・K:バルカンクラシックツアラー1500。着脱可能なエアクリーナーで本人も編隊から着脱

バイクの種類は見事にバラバラ、なんという素晴らしきまとまりのなさ。
アドレスでこの軍団を先導すると、ビッグバイクに追い回されている原付にしか見えなさそう。
と思ったものの、ここはひとつナビを装備しているhoriに先導をしてもらうことにしよう。


hori頼んだぜ!(他人任せ)

一行は八王子を出発し、東京の奥座敷・奥多摩を順調に目指す。
Akitoはアドレスをやまも氏のセローと交換して走ってみたら、久々のギヤ車が楽しいのなんの。
これがあれば林道や廃道もガンガン入れそうだぜ…(不敵な笑い)
一方、やまも氏の方からは「このバイク怖ぇぇ」と聞こえた気がしたけど気のせいだろう。


やがて一行は檜原街道(都道33号線)に入り、緑のトンネルを駆け抜けてゆく。
ミラーに映る、仲間と色とりどりのバイクたち。
クルマでの相乗りでは味わえないこの爽快さが…あれ、1台足りないぞ?

Kが…消えた!

待てど待てど現れないので本人と連絡をとってみると
「エアクリーナーが自動的に吹っ飛んだ☆」とのこと。
う~む、どういうシステムだそれは…

20分後、エアクリーナーを自力で着け直したKが奥多摩周遊道路の駐車場で合流。


「いやーこの丸いのがさー、いきなり取れちゃってさー」

こんなでかくて立派なバイクの部品が取れるとは驚きだけど、
ほんのちょっとしたトラブルもツーリングの醍醐味だ。
むしろかえって記憶に残って面白いってもんだ。


さぁ奥多摩湖は目前。ヘルメッツをカポっとはめて出発だ!


今度は白ダイナ氏のダイナスーパーグライドに跨り、hori(VTR250)に続く。
クラッチ激重、ハンドル遠い、トルク感半端ないの3拍子ダイナはツインカムのイメージを覆す荒々しさ。
白ダイナ氏、普段からこんなの乗りまわしてたんすか…(蒼白)


そうこうしているうちに奥多摩湖が見えてきた!

「小河内貯水池」という正式名称からわかるように、この湖は人造湖(水がめ)だ。
周辺には、昭和32年に完成するこのダムを建造するために使われた東京都水道局小河内線(貨物鉄道)、奥多摩湖ロープウェーの廃線、峰部落(廃村)、倉沢鍾乳洞跡といったおもしろ廃物件が点在しているが、今回は華麗にスルーすることにしよう(てか、もう全部行っちゃったけど)。

ここでロングフォークの青ダイナ氏、お仕事とのことで途中離脱。

「バイバーイ!」

その後、彼女は下道を延々と数時間かけて帰ったそうな…
(画像処理が妖怪ですんません)

さて、野郎5人となった一行はそのまま紅葉の大菩薩峠(R411)を駆け上ってゆく。


いくつものコーナーを駆け抜け…


いくつもの橋を…おっ、右側には橋が架かる前の時代の旧道が(自粛)


深い谷を跨ぐ真新しいループ橋…の下にはすばらしき廃道が(やめれ)


そして富士山がヌポッと顔を出す頃、僕らは山梨県入りしたのでした。

時計を見るといつの間にやらお昼過ぎ。
空腹に耐えかねた野郎共、horiのテクノな先導でほうとう「はやし」へピットイン!


(Yeah!)此処ははやし 素通りはなし
Ranking一位の人気店やし

腹ヘリPassion 高まるTension
座敷に上がれば即Communication

メニューを見つけ 写真に釘付け
座布団並べてさあ位置につけ
Staffに運ばれ 湯気に包まれ
おまちどうさまほうとう登場

(Say!) H.O.U! T.O.U!
山梨Energy みなぎるぜマジ
H.O.U! T.O.U!
胃袋満タン 準備万端

さぁ、というわけで腹ごしらえもできたし、次はR140で北上だ!
Akikoは再びやまも氏のセロー250のハンドルを握り、先導体制に。


それにしてもナビが着いていると本当に心強い。スマホホルダー導入したいなぁ。


紅葉のトンネルをくぐり…


広瀬湖のほとりを走り抜け…


一般国道のトンネルとしては日本一長い雁坂トンネルに差し掛かり…
って、シロダイナ氏のマシンに異変発生!


「キャブが…取れる~」

どうやらキャブレターのステーの1つが破断してしまった模様。
フルチューンした蒸気機関車のような荒々しい鼓動に耐えられなかったか!?

しかし、ここでやまも氏が四次元ポケットからあるものを取り出した。

「これ使えるんじゃない?」

差し出されたのは結束バンド!それも誘拐に使われそうなぶっといやつだ。
これが功を奏して、荒々しいダイナのキャブはぶっ飛ばずにツーリング続行となった。


奥秩父の紅葉の名所・中津峡を横目に夕暮れの県道210号線を北上してゆく。
この先には(株)ニッチツが操業する日窒鉱山という石灰石の鉱山がある。今でも採掘を続けているとはいえ、エネルギー需要の変遷の影響でかつての規模から大幅に縮小してしまった。


今は地図から消されてしまったが、全盛期にはこの深い谷に3000人以上の従業員とその家族が住む集落があった。
その痕跡が最初に出迎えてくれる場所で、一行を率いていた僕はバイクを止めた。


一見、何の変哲もない古い歩道橋。
その向こう側の木々の間から見えるのは、廃校。
かつてこの深い谷に住む子どもたちが通っていた旧小倉沢小学校だ。
今はニッチツの資材置き場(私有地)となっているため、原則として立ち入ることはできない。


更にバイクを進めるとついに県道区間が終わり、ちょうど林道に切り替わるところで木造の寮がお目見え。

「こりゃすげー!」「なかなか立派だなぁ」


「行っちゃう?」「そりゃ行くでしょ!」


初の廃墟ツアーにもかかわらず、メンバーは予想以上の食いつき。
軽快に石造りの階段を駆け上がっていくその後ろ姿は、完全に探検ごっこ中の少年そのものだ。


しかし立派な外見とは裏腹に、激しい崩壊に見舞われている裏側。
これは2014年の記録的な大雪によるもので、この場所がいかに厳しい自然環境の中にあるかを無言で伝えてきていた。


いよいよ星に還る時が近づいてきた廃墟のなれの果て。
崩落して残骸と化す一歩手前だが、それでも不思議と人々の生活のともしびが浮かぶようだ。


玄関横の小部屋に入ると汲み取り式トイレがお出迎え。
あまりにも山奥なので下水道が引かれなかったのだろう。
この先の部屋に入ろうとしたものの、床が抜けそうだったので一応断念しておいた。
人の手を離れて久しい廃墟は安全保証のない自己責任の世界。五体満足で帰るためにも、廃墟の現状を壊さないためにも撤退する勇気は必要なのだ。


「こりゃいいもの見たわ〜」「よし次行ってみよ〜」


更に林道を登っていくと、立派な集落が見えてきた。
もはやこれは廃墟というより廃村といった規模だろうか。


大きく立派な建物。
関東の廃墟物件としては比較的有名な「日窒社宅」がこれだ。
先ほどの崩落した寮より新しい造りだが、基本的にはオール木造のレトロな建物といえる。


「ここ、中が見えるから覗いてみるか」


換気扇フード、複数の冷蔵庫、そして調理台。ここは食堂だろうか。
観音扉の現代的な冷蔵庫があることから、この集落が地図から消えたのは平成の世に入ってからだろう。周辺に保育園もあったことから、ここでは鉱夫たちとその家族が食事をしていたのかもしれない。


昔懐かしいダイヤル式の固定電話が床に転がっていた。
その受話器は役割を果たし終えたまま、もう誰かの肉声を届けることはない。
その役割から解放された瞬間から、人々とは違う「廃」としてのセカンドライフが始まった。
かつて主導権を放棄した人間たちに、その姿が朽ち果てるまで彼らは無言で語り続けるだろう。
たとえ地図から消されたとしても、確かにここに人々のリアルな営みが在ったことを。


ってな感じで、気がつけばもうすっかり夜じゃん!

うひょーさみー死ぬー、というわけで真っ暗な秩父の山奥をひたすら走り、今日の締めということで甲武温泉の駐車場で解散!

先にやまも氏と白ダイナ氏を見送り、horiとKとAkitoは温泉にドボンしてファンタで乾杯。
まんまるお月さまに照らされながら、各自家路に向けて爆走していきましたとさ。めでたしめでたし!…?



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