「Akito、マジェスティ要らない?」
学生時代からの友人からそんな連絡が入ったのは1ヶ月ほど前だった。
訊くところによれば走行距離は5万kmを超えていて、見た目もそんなに綺麗でないのでタダでいいとのこと。
う〜ん、いい話だけどスクーターは既に3台あるんだよなぁ。実家に置いてる2台も早いとこ売却したいぐらいだからこれ以上の増車は無理だ。

でもマジェスティならバイク便で10万km超えの個体も珍しくないし、エンジンは快調らしいから廃棄はもったいない。
というわけで、バイクを欲しがっていた元スポーツスター乗りの篤嗣に渡すことになりました。
金曜日の夜に早速マジェスティを受け取り、家まで走り出すものの状態がところどころ怪しい。

まず外装のヤレは想定内だったとして、セルモーターの回りが苦しそう。何とかエンジンは掛かったものの、ヘッドランプ(中華製HID)が点灯しない。そして走り出してハンドルを左右に振るとセンター付近で妙な抵抗感がある。その一方、エンジンは5万km台とは思えないほど元気で3桁km/hも難なく出た。流石は国産車だ。
愛車の状態にはオーナーの性格がもろに出ると言うけれど、大雑把な性格の友人に乗られていたこのマジェスティの状態もそれなりだった。

エンジンはともかく、この妙ちくりんな整備不良状態で仲間に渡して事故られたら大変なので、とりあえずバッテリーをフル充電してヘッドランプをハロゲンバルブに戻すことに。
というわけで翌日の午後から篤嗣と作業し始めたものの、外し慣れていないマジェスティの外装外しは時間が掛かる掛かる。

更にハロゲンバルブ用のカプラーが無かったり(加工した平型端子で解決)、謎ハーネスを撤去したり、大量の蚊と戯れたりでヘッドランプバルブ交換ごときに2時間も掛かってしまいました。

   
終わった頃にはすっかり夜。

ハロゲンバルブのヘッドランプを煌々と光らせながら、新オーナーの篤嗣は嬉しそうに国道に消えて行きました。

僕も謎の達成感と、バイクで走れる仲間が増えた満足感で20代の頃に戻ったような気分になったことで自分がオッサンになりかけてる事を自覚しました。
ハンドルの違和感はホーンの干渉が原因っぽいですが、今頃新オーナーの手によって直されている事でしょう。ヤレた外装も少しづつピカピカに復活していきそうです。

秋はツーリングの季節。

紅葉の峠を越えてみんなで温泉でも行きたいなぁ。