怪しいDIYエンジンチューンで、予想以上な加速力を手に入れたセローちゃん。運転中もヘルメットの中でニヤニヤが止まらないエキサイティングなマシンに生まれ変わったのですが、エンジンを弄る前から一つだけ気になる不具合がありました。
それは、キャブレターのオーバーフロー。
キャブレターのフロート室内のトラブルによって、ガソリンの供給が適正レベルで止まらずにやがて外側に溢れ出すトラブルです。
初めてオーバーフローが発生したのは、去年山梨県へソロツーに出掛けた時。その時は車体下に大きなガソリンの水溜りができていて焦りました。その後もエンジンがなかなか始動しなくて、しまいにゃバッテリーが上がる始末…
こんなガソリンお漏らしバイクじゃパンパースでもしないと安心して乗れん!という事で、まずは駐車の度に燃料コックをOFFにする習慣を初めました。それだけでは根本的なオーバーフローの原因を取り除いた事にはならないため、去年の秋にフロートバルブを新品に交換。
そのフロートバルブやジェット類の交換作業でフロート室を開けると、いつも内部に茶色の鉄粉が付着していることが気になっていました。これは恐らくガソリンタンク内の錆。まだ内部を覗いたわけじゃないけど、前オーナーによれば長期間放置されていた事もあったそうだからほぼ間違いないだろう。
「いつかタンクの錆をなんとかしなきゃな~」とか思いながらも、チューンドセローの試走を終えた次の日に悲劇は起きました。
朝、通勤のために愛車のもとへ向かうと…またもや車体の下に巨大なガソリン溜まりが。どうやら昨日ガソリンコックをOFFにするのを忘れちゃったんだろうな~と思いながら、道路脇まで押していってセルボタンを押してみた。
「キュルキュ……ン」
エンジンを掛けようにも沈黙するセルモーター。そこから何度セルボタンを押しても苦しそうな音を出して止まってしまいます。
昨日は元気だったのに、バッテリーの突然死か?
というより、ピストンが上死点で苦しくなったような変な音だったよーな気が…ええぃ、とにかくこのままじゃ仕事に遅れちまう!
そう思ったAkitoはセローのギアを3速に入れ、クラッチレバーを握ったまま全力で押し掛け開始。そのまま飛び乗ってクラッチを繋ぐも、何度やってもエンジンが掛かりません。駄目だこりゃ…
汗びっしょりになりながらヘルメットを脱ぎ、セローの横に腰を下ろすと丁度クランクケースのオイルレベルゲージが視界に入りました。
その光景に違和感が…
「あれ…どうしてオイルが上限よりいっぱい入ってるんだ?」
(続く)