ぐぎぎ…何ということでしょう。まさか今日も定休日だったとは、なんで店のホームページで前もって確認しなかったのか。ワイはホームラン級のアホや(^q^)
しかし、またセローを店先に置いて帰ろうにも明日は仕事で立ち寄れそうにないので迷惑を掛けてしまう…かといってここから自宅(2駅分の距離)まで押して帰る根性もありません。万事休す!
そんな感じで店先で悩んでいると…あれ?誰もいないはずの店内に人の気配が。よく見ると奥のカウンターに照明が灯り、何やら社長がPCに向かっているではないですか。
「しめた!俺はツイてる!!」
そんなこんなで、定休日にもかかわらず業務処理のために出勤していたYSPの社長を捕まえて事情を話し、修理入庫を申し出たのでした。しかし…
「いや~残念、実は年末まで修理の予約でいっぱいなんだ。預けてもらってもしばらく着手できないし、ひとまず今日は乗って帰れるようにはするから自分で直してみてね」
そうです、以前からピストンリングとかエンジン内部のパーツを注文しに通ってたので、キャブぐらい自分で何とかできるやろ!とい事なのでしょう。こちらは10万払ってでも直してもらいたかったんですが商売っ気なさすぎw
そして社長はセローの点火プラグを外し、バッテリーにジャンプスターターを繋げてクランキング開始。その瞬間、プラグホールからガソリンが「ブシャーーー!!」とふなっしーの梨汁の如く噴出!ひィィ、こんなに燃焼室に溜まってたとは…知らずにクランキングしてたら圧縮できずにコンロッドがへし折れたかピストンに穴が空いていたところ。いやはや、社長流石です。
そのあと点火プラグを着けて10秒ほど鬼クランキングし続けると、「キュルキュルキュルキュルキュルキュルボボッキュルキュルボッボボッボボボー!!!」と久々にエンジンが始動。よっしゃ、ひとまずこれで帰れるかも!と小躍りするAkitoでしたが、社長はしゃがみこんでオイルゲージを覗きながら何やら難しい顔をしています。「だいぶ降りてきてるなぁ…」と呟くと、今回のオーバーフローと始動不良の発生メカニズムについて以下の可能性を説明して下さりました。
①キャブのニードルバルブが開きっぱなしになる
②スロットル開度に関係なくガソリンが過剰供給
③大量のガソリンが燃焼室→クランクケースへ
④クランクケース内でガソリンがオイルと混じる
⑤ブローバイホース経由でエアクリーナーBOXへ
⑥気化したガソリンが吸入されて更に始動困難に
つまり、一度この負のループに陥るとキャブをばらしてオーバーフローの原因を取り除かない限り自力では始動すらできないということです。今回はジャンプスターターの強力な電流でセルモーターを回し続けて何とか始動できたけど、これは何としてでも直さないと出先でまたやらかすぞ…
というわけで、エンジンが動いているうちに自宅へ向けて出発!スロットルワークに対してエンジンのレスポンスが怪しいのは混合気が濃すぎてセッティングが崩れているからでしょう。左手で燃料コックを半閉じの位置に調整しながら右手でスロットル操作をするという難しい運転で自宅を目指します。
交通の流れに乗って巡航しているうちはいいのですが、少しでもスロットルを戻すとエンストしそうになるので赤信号で止まるともうドッキドキ。一応アイドリングはかなり上げているものの、もしエンストでもしたら弱ったバッテリーでは二度と再始動はできないでしょうから。
そんなこんなで、半ば無理矢理自宅に自走して帰ることに成功!さっそくオイルドレンボルトを外すと、ガソリン臭い大量のオイルがバシャバシャと出てきました。前回の交換から1,500kmしか走ってないけど仕方ない。それよりもオーバーフローの原因を特定して絶対に直す!!
(つづく)