ジョルノ  エンジン修理①

時はさかのぼる事1ヶ月。

相変わらず沈静化の兆しが見えないコロナウイルスの蔓延で、電車の代わりに通勤の足にしていたセローちゃんがレギュレーター死亡で不動となっていた頃。

何とか押し掛け30連発で無理矢理帰ってきたものの、翌日の出社はセカンドバイクのホンダジョルノ(2スト原付スクーター)でGo!

こいつは元々妹から貰った1992年式の古い原チャリで、スーパーディオZXの高出力型エンジン(7PS)に積み替えたりといじり倒して遊んでいたセカンドバイクです。50ccなので駅前の駐輪場に止められるくせに軽く80km/h以上出たりと使い勝手抜群な上、セローと違ってまったく壊れずにビュンビュン走ってくれていたので何かと重宝していました。

というわけで、セローちゃんのレギュレーターが届くまでの代車として9駅先の会社まで乗っていくことに。エンジンが冷えているうちはアクセルレスポンスは今ひとつですが、ちょいと暖まれば、パワー競走時代の軽量2スト原付だけあって法定速度+αまではアホみたいに速いのなんのって。交通の流れについていくどころか後続車をミラーの点にしてしまうので、気をつけないと免許点数がいくらあっても足りません。

そんな感じで30分ほど快走していた頃、ふとエンジンレスポンスが不自然に鈍くなってきたことに気が付きました。何というか再加速がダルい。いや…最高速もメーターを振り切れなくなっていてどうもおかしい。

「ウエイトローラー粉砕したかな」と思いながら信号待ちの先頭て停止すると、「シュゴォォォオオオ!!!」というジェット戦闘機のような盛大なメカノイズが耳に入ってきました。

なんだこれ、とにかくヤバい!

会社までは絶対走れないだろうけど、果たして自走で帰れるだろうか…とにかくUターンだ。

そう思い、一旦エンジンを切ってUターンさせてエンジンを再始動…しようとしたものの、セルスイッチを押してもびくともしない。

背筋を嫌な汗がつたいながらも、一筋の願いを込めてキックペダルを踏み込む…が!!

ガンッ!!「痛っ!!」

キックペダル、ガチガチに固まって動かず。

これは一体…⁉︎

(つづく)