ミツバサンコーワから、7/1にバイク用のETC2.0車載機が発売されました。

クルマ用のETC2.0(旧名称:DSRC)車載機は少し前からカー用品店などでゴリ押し普及促進キャンペーンが展開されていましたが、いよいよバイクにもETC2.0の波が到来というわけですな。

しかーし、まだまだ「そもそもETC2.0って何?」という人も多いと思います。このETC2.0と従来のETCの違いを一言で表すと「路上のITSスポットとの相互通信機能が搭載された」ということ。これにより以下の新機能が加わりました。

・渋滞情報の送信:GPSで計測した自車速度をITSスポットに送信し、他のETC2.0搭載車のデータと合わせて渋滞状況を検出する
・渋滞・事故、注意喚起情報の受信:渋滞・事故や落下物、路面凍結などの注意喚起情報を受信し、接続した専用ナビや音声、インジケータ等で運転者に情報提供する
・SA/PAに設置されたITSスポットでご当地グルメ情報などを受信できる

というわけで、料金所の自動支払い機能だけだった従来のETCにビッグデータ機能が加わったようなものでしょうか。渋滞や事故情報は今までもVICS対応ナビやスマホの渋滞状況サイトで把握できますので、特に「すげぇ!」というほどのものではないと思いますが、VICSはなんと2022年に完全廃止されてしまいます。つまり、渋滞情報が出ていたVICSナビはあと5年ちょっとでゴミになるので、ETC車載機と一緒に捨ててETC2.0車載機と対応ナビに買い替えなさいと国土交通省様がおっしゃっているわけです。マジファックですね。またITSスポットでのグルメ情報なんちゃらだって、SA/PAの専用駐車枠内にいちいち駐車しなきゃ受信できない上に、所詮はお役所が用意したものだけにどうしようもなく見づらくてショボいとか。今どきそんなものは発売中の通信機能付ナビやスマホで走行中に取得できるわけで、これに関してはどう考えても退化としか思えません。

そんなわけで利権臭がプンプンするETC2.0ですが、ゴリ押し普及させるために以下の施策が予定(or検討)されています。

・圏央道の通行料金が2割引
・事故渋滞を避けるために高速を一旦降りてまた乗った場合、降りずにそのまま乗った場合の料金にするかも
・渋滞を避けたルートを通ると割引料金にするかも
・コインパーキングでの支払いなどに対応させるかも

というわけですが、圏央道の割引については関東郊外に住む人にしか恩恵が無さそうです。一旦降りてまた乗っても料金が変わらないのは助かりますが、ETC2.0への買い替えに踏み切るほどのインパクトには欠けるし、地方には渋滞を避けた別の高速ルートなんて存在しない(一本道)だったりするわけで。コインパーキングでの支払いも従来型ETCで結局オジャンになっているので、そこも民間との利権争いでで一筋縄にはいかなそう。つまり魅力なし!

とは言いつつ、せっかくミツバサンコーワが発売してくれた2輪用のETC2.0車載機に話を戻しましょう。
今回発売されたMSC-BE700はクルマ用と同じく圏央道とかの割引には対応していますが、ETC2.0サービスの最大の特徴である渋滞・事故、注意喚起情報をどう知らせるのかが一番気になるところ。というのも、バイクはクルマと違って渋滞情報を表示させるナビが大抵は着いていません。そのため、この機種では別体のLEDランプユニットでライダーに情報をピコーンピコーンと知らせてくれる・・とあります。

・・・・・ちょっとまて、そんなんでいいのか?

「この何km先で何を原因とした何kmの渋滞がある」と知らせてくれなきゃ意味がないんだけど。軽い自然渋滞ならそのまま乗り続けたり、通行止めや路面凍結なら降りるといった判断ができないじゃん。
「なにかあるで~(LEDピコーンピコーン)」じゃ詳細はわからないから、結局頭上の電光表示板で確認するんじゃ今までと変わらんし、工賃含めて4万ぐらい出すメリットを感じられないのが残念です。

個人的にはBlueToothでヘッドセットに音声で伝えてくれたり、スマホに表示させてくれたりするモデルを待ちたいところです。