ジェネレーターコイル下部から点火タイミング検出用ピックアップが取り外されたセローちゃん。そしておもむろに金鋸が登場し、ピックアップのボルト留め用ステーをギーコギーコ斬ってしまいました。

こんな感じに、ボルト穴の空いていたステーの一部をアルファベットの”C”のように切開します。裏側にあるセンタリング用のフランジ(突起)もヤスリで除去し、本来のピックアップの位置からずらせるようにします。

そして位置をずらして再装着することで約4.5度進角させることに成功。爆発タイミングを早めることで高回転域の頭打ち感の改善を狙います。

そして再びジェネレーターカバーを装着し、一度外していたシフトペダルも摺動部をたっぷりグリスアップして装着。早まる気持ちを抑えつつ、エンジンをしっかり暖機してからいよいよテスト走行へ出発です。

今回の改造をする上で一番心配だったのは、点火時期を変えたことで低回転域のトルクが細くなること。神経を研ぎ澄ませながらクラッチを繋いで発進しますが…あれ、意外と変わらない。4.5度進角させただなんて言われないとまったく気付かない位、低回転を多用するシーンの乗りやすさは犠牲になっていませんでした。

そして、いよいよ中高回転域へ。僕は普段はあまりエンジンを回さない方で、ゆったり発進しながら20km/hで2速へシフトアップ、その後も30km/hで3速、40km/hで4速、そして50km/hで5速にしてしまうのですが、今回はすぐにシフトチェンジせずにエンジンを高回転まで引っ張ってみます。

すると…こ、これはマジか、以前は回転が上がるにつれて頭打ち感のあった加速Gがまったく衰えずにレブリミットまで一気に引っ張っていく!まるでバランスのとれた学級委員が運動部のアスリートになったかのような変貌ぶりです。シャシダイで測っていないので超アバウトですが、体感的には高回転域のパワーが2割増しってところでしょうか。ホント、なんて楽しい奴に変わっちまったんだ。お前もうセローじゃないだろ…

一見単純だけど確実に体感できるこの進角チューン。金鋸さえあれば、あとはジェネレーターカバーのガスケット代(¥682)だけでセローがスポーティな性格に変貌を遂げます。と言うより、これが封印されし本来のポテンシャルなのかも。もし気に入らなければピックアップを元の位置に戻せばいいですが、一度味わうともう戻る気にはならないでしょう。

とまぁ、高回転域が元気モリモリになって超楽しいのですが、次回は低回転域ももう少し強化してみますw