ひとまずボアアップ後の慣らし運転として、キャブセッティングはMJ(メインジェット)とPJパイロットジェット)ともに一番大きい番手のものをセレクトしたのですが…
1/4スロットル(PJ領域)の時は混合気がやや濃い症状が出ながらも問題なく走り、フルスロットル(MJ領域)で混合気が濃すぎてエンジンがボコついたのは想定内として、そこからハーフスロットル(JN領域)あたりまで戻すと妙に加速が鋭くなる症状が出ました。
これはもしかして、ハーフスロットル領域だけ薄いんジャネーノ?
ということで…
外装を外してキャブを剥き出しにし、今までまったく弄ってこなかったJN(ジェットニードル)のクリップ位置を確認してみます。言い訳になりますが、Akitoが過去にJNを弄った記憶はない上、ディオ系のキャブセッティングの記事をネットで見てもJNを弄った例が見つからなかったので、「MJとPJの番手を変えればセッティング出せるだろ」と安直に考えてたというのが正直なところ(涙)。
そうこうしている間にも、ライブディオZX純正キャブ(AF35型/規制前後期型用)のジェットニードルがお目見えです。余談ですが、前回のレストア時にオイルと泥でドロドロだったキャブ本体をパーツクリーナーで洗浄しておいたので、こういう面倒なセッティングの時も不思議と弄るモチベーションが湧いてきますw
そして取り出したJN(ジェットニードル)……
「クリップ位置が真ん中(基準)じゃない⁉︎」
ファー!!
一番上(薄い位置)になってやがった!
キャブレターの燃調を決める4つの要素がそれぞれ受け持つスロットル領域は、基本的に以下の通りです。
- AS(エアスクリュ):アイドリング
- PJ(パイロットジェット):1/4スロットル
- JN:ハーフスロットル
- MJ:フルスロットル
このうち、中間のJN(ジェットニードル)はジェット口径の異なるPJとMJの間をスロットル開度に応じて変化させるものですが、先ほどのクリップ位置を真ん中(基準)変えることで、その特性をPJ寄り(薄め)かMJ寄り(濃いめ)に振り分けることができます。
今回バラしてみた結果、JNのクリップ位置がなぜかPJ寄り(薄め)になっていたため、ハーフスロットルで燃調が濃い症状が消えたのも合点がいきました。
しかし待てよ…50ccの頃にPJとMJを相当濃いめに振っていたのにプラグの焼け色が適正(キツネ色)だったのは、もっとも多用するJN領域が薄かったからだったのか。
とりあえず薄かったJNのクリップ位置を中央(基準位置)にして、高すぎるであろうPJとMJの番手を下げてみました。具体的には以下のセッティングにして再度テスト走行へGo!
- AS:1.5回転戻し(基準位置)
- PJ:#45
- JN:中央(基準位置)
- MJ:#95
結果としては、慣らし期間を忘れてしまうほどの元気な加速になりました。メーターを余裕で振り切るボアアップ仕様のベストセッティングではないですが、明らかに50ccの時よりパワフルで自制心が求められるほどに。
まだPJとMJは濃い気がするものの、シリンダーとピストンが完全に馴染む前の慣らし期間中ということもあり、このままジェットを変えずに100kmまでは50km/h制限、150kmまでは55km/h制限、そして200km/hまでは60km/h制限をしっかり守り、そしてついに慣らし期間が終了!
「ようやく封印していた高回転域を解き放つ時が来た…あとはもうちょっとジェットの番手下げてドンピシャセッティング出してウエイトローラー軽くして本気仕様だぜヒャッホーイ!!」
と思った矢先、デイトナからこんなものが発売されてたことを思い出してしまいました。
なんとも厨二心を鷲掴みにする製品名ですが、要するに吸気効率を高めたエアフィルターです。
吸気効率だけ上がればキャブで作られる混合気は薄くなってしまうので、キャブのジェット類の番手を上げる必要があるはずです。
そう思ってデイトナのHPを見るとと、どうやジェット類はノーマルのままか1番手上げるだけでいいらしい。「まぁ大して変わらないんだろうな~、でも慣らし終了記念にやっとくか」という軽いノリで導入することに。
しかし、これが思わぬ結果を招くことに…
(つづく)