無事にデイトナのボアアップも着いて、マフラー着けてロケット加速で走り出したい15の夜!といきたいところですが、何しろ排気量が50%近くも拡大されたのでその熱量は相当なもの。ましてやシリンダーとピストンが馴染んでいない慣らし運転中は摩擦が大きく焼き付きのリスクが高いため、前もって対策を施します。
まず、ドライブベルトとドライブプーリーを外します。ここをバラすのは夏にエンジンを組み上げた時以来ですが、ベルトがプーリーの一番外側まで変速しきっている痕跡が確認できてひと安心。ただしベルトは14年前にヤフオクでZXエンジンを入手した時に着いてた相当古いものなので、慣らしが終わったら新調しようかな。
外したプーリー類(横綱ハイスピードプーリー)と新たに用意したウエイトローラー(ノーブランド品)。遠心力でプーリーを押し広げて無段変速させるウエイトローラーは、その重さを変えることで変速特性を変えることができます。
Akitoのジョルノちゃんはファイナルドライブがハイギア気味のZXエンジンという事もあり、ウエイトローラーら発進加速~変速終了までは高回転のパワーバンドに入りやすい6g × 6個を長らく使っていました。
今回からは慣らし運転ということで、9g × 6個に変更してパワーバンド以下で大人しく変速する特性にします。慣らし運転期間中は50km/h以下で走行するため、高回転域は実質的に封印される形となります。
ウエイトローラーの溝にモリブデングリスをぬ~りぬり。このドライブプーリーの裏はベルト接触面で高温になるため、200℃ぐらいまで耐えられるグリスにしないとすぐ干からびてしまうので注意!
続いて、クラッチやトルクカムの状態を確認するためにクラッチアウターを外します。
中からクラッチAssyをごっそり外し、クラッチナット(39mm)を専用レンチで外します。これがなかなか外れにくいんですが、写真のような状態でもう一方を地面にカーン!カーン!と叩きつけると緩みます。
クラッチナットを外すとセンタースプリングがボヨヨーンと飛び出てきました。赤茶色で錆びてんなぁ…と思いながらよーく見てみると赤い。これってもしやデイトナ製の10%強化タイプじゃねーか…14年間気付かなかったわw
一番気掛かりだったトルクカムのグリスについては、見ての通りヌメヌメで潤滑状態に問題なし。写真には写ってませんがクラッチシューの残量も許容値たったので交換しませんでした。このあたりを突き詰めるのも楽しそうですが、まずは慣らしを終えてキャブセッティングを出してからかな。
再びトルクカムを組み付ける時、摺動部にはウレアグリース(200℃耐熱)をたっぷりぬりぬり。これでしばらくは安心して乗り続けられます。
というワケで、慣らし中のエンジンをケアするため高回転域を封印したジョルノちゃん。この他にも、発熱量対策としてもう少しやることがあります。それは…
(つづく)