ジョルノ  エンジン修理⑧

今度こそ無事にクランクシャフトを組み付けられた(はず)なので、あとは走れる状態に戻していきます。完全復活が待ちきれないぜ!

2ストロークエンジンは腰上(シリンダー)の中だけでなく腰下(クランクケース)の中でも圧縮工程があるため。クランクケース左右から出たクランクシャフトの周囲を密閉する必要があります。クランクシャフトはぐるぐる回転し続けるため、ゴム製のオイルシールと液体ガスケットで気密性を確保するのですが、まずはオイルシール挿入前にシャフト外径面とケース穴の内径面に液体ガスケットを塗っておきます。

ここで塗りすぎると、奥にあるクランクケースサイドベアリングのボール部に巻き込まれてスムーズな回転を阻害するので注意!

次に、オイルシールの内径面(シャフト接触面)と外径面(ケースと接触面)のそれぞれに液体ガスケットを塗ります。

オイルシールをシャフトとケースの間に差し込み、軽くコンコンと圧入します。ただしケースの穴は位置決め用の段付き形状とはなっていないため、あまり奥まで圧入し過ぎるとケース内部に落ち込んで取り出せなくなるため、くれぐれも程々に…

変速機構のウエイトローラーも摩耗していたため、新調した上で摺動部にグリスをたっぷり塗っておきます。

ドライブプーリー、ドリブンプーリー、Vベルトを取り付けます。クラッチシューは摩耗限界まで余裕があったため継続使用。

クランクケース上面に顔を出していたコンロッドのスモールエンドにピストンを装着し、2ストロークエンジンオイルをたっぷり塗った状態でシリンダー内に慎重に挿入します。ピストンリングの向きさえ間違わなければすんなり装着できるはず。

シリンダーを装着したら、新品のシリンダーヘッドガスケットを当てがい…

シリンダーヘッドのボルトを規定トルクで締結!必ず対角線状に交互に締め付けていきます。

続いて、ケースに右側ステーターコイルとピックアップコイルを取り付けて…

フライホイール(永久磁石付)を被せるように装着します。こいつの外周にある凸形状を削り加工すれば進角を弄れるとかなんとかハッピーな噂がありますが、まずはまともに走れる状態に戻してからかな。

フライホイール表面に強制冷却ファンを装着します。エンジン回転数に比例して強まる冷却風が、この後に装着するファンカバーでシリンダーに導かれて冷やす仕組みです。エンジン冷却性の悪いスクーターならではのメカニズムですが、考えた人ホント凄い!

そしてファンカバー(樹脂製)を装着!

車体外側から見えている状態のエンジンまでようやく戻ってきて、復活走行へのテンションが高まります。

せっかくなので点火プラグも新品を用意!

古いのはもう少し使えそうでしたが、そもそも今のエンジン(AF28スーパーディオZX用)をヤフオクで買った時から着いていた古いものだったので、この機会にリフレッシュです。

ファンカバーを着けたまま、プラグ交換穴からプラグレンチで締結します。この古びたプラグレンチは、10年前にジョルノの腰下修理を実家近所のバイク屋に頼んだ時に店主のおっちゃんから頂いたもの。既にあの頃腰を痛めていたおっちゃん、今元気でやってるかな。ジョルノが復活したら「今度は自分でやってみました」と缶コーヒーでも差し入れに行ってみようか。

さて、そろそろ車体に取付けるかな…

(つづく)