市民の足として、長年親しまれてきた路線バス。
鉄道では補いきれない毛細血管のような路線で、その小回り性能を活かしながら長年たくさんの市民のを送り届けてきました。
そんな僕らのバスですが、近年都市部でちょっと変わった形のバスがにわかに増えつつあります。
その名は「連節バス」。
ご覧ください。見ての通りバスが2両編成になってほぼ2倍の大きさになっています。この連節バスは利用者が特に多い路線用で、今以上に運行本数を増やせない時に切り札として投入されるそうです。
画像の車種はメルセデスベンツのシターロGというモデルで、お値段はおよそ8,000万円。日本メーカーでは連節バスを製造していないので、わざわざ海の向こうからおベンツ様を持ってきたそうです。ちなみに日本メーカーのバスと同様の超低床設計(ノンステップバス)で、1両目と2両目の間は鉄道のように通り抜けができます。
さてここで問題!
これだけの巨体を誇るシターロGですが、それを動かす巨大なエンジンは車体のどこに搭載されているでしょうか?
たとえば、トラックは乗降口を低床設計にする必要がない一方、背面から荷物を出し入れするのでエンジンは前方(運転席の下)にあります。
一般的なバスは、前方を含む乗降口が低床設計である一方、背面からは何も出し入れしないので、エンジンは後方(最後列のひな壇シートの下)にあります。
シターロGも低床設計で、なおかつ1両目の後方は2両目と通り抜けができなければならないため前にも後ろにもエンジンは搭載できない。
…ん?
2両目の後ろに吸気口を発見!
そうです、正解はなんと2両目の後ろ!
行き場のなくなったエンジンはいちばん後ろに追いやられ、エンジンがなく巨大なトミカ状態の1両目もろともぐいぐい押しながら走らせているというわけです。同じく連節構造を持つ大型トレーラーはエンジンのついた前側が後ろ側を引っ張りますが、連節バスはその逆。直進する時はともかく、連節部をくの字に曲げながら加速するとどうなるんだろう。すげー癖がありそうだ…
ちなみに、滑りやすい路面でそれをやると↓
https://youtu.be/8kMkYhc4F2g
1両目が押されて変な動きをします…
また、重いケツが左右に振れるので↓
https://youtu.be/G283c3DAC3c
気をつけないとタコ踊りします…
そんなD1GPに出場できそうなシターロGですが、エンジンが無い1両目の前方に乗ると不気味なほど静かです。バスマニアにとっては物足りないだろうから、彼らにはエンジンのバイブレーションをたっぷり楽しめる2両目最後列のひな壇をお勧めしたい(笑)