「人はなぜ、革の感触に高級感を覚えるのか」
世の中のあらゆる製品の素材には金属、プラスチック、布などといったものがありますが、その中でも革はもっとも人間の肌に近いです。たとえば握る箇所をラバー素材にしているボールペンのように、人が触れる箇所を人肌に近いソフトな素材にしてケアすることが人間工学であると同時に「おもてなし」だと言えます。

その中でも、ある意味肌そのものである革は究極のおもてなしであり、手間暇をかけて心地よさを追求している点が高級感に繋がっているのではないでしょうか。
革素材による高級感の演出はクルマの内装にも見ることができます。

たとえば、100万円台の軽自動車のダッシュボードは革シボ(革っぽい模様)の入ったプラスチックでできています。計器類を収める道具としてはプラスチック製で必要充分な性能を満たしている一方、いかにもプラスチックというツルツルの表面では100均のおもちゃのように安っぽい上に傷が目立ち、またフロントガラスにツヤが反射して運転に支障をきたすので革シボを入れています。とはいえプラスチックですので、実際に手で触れるとカチカチですが。

車体価格か300万円台を超えるあたりから、ダッシュボードは革のようなソフトな素材が採用され始めます。素材としては発泡ウレタンをPVCレザー(ビニール系の合革)で覆ったものですが、ステッチ(縫い目)も再現されていて質感は充分なものです。おもてなしにコストを掛けはじめる車格と言えます。

そして、おおよさ1,000万を超える高級車のダッシュボードにはついに本革製が登場します。素材や加工製法的に大量生産はできませんが、そのぶん好みに合わせたオーダーメイドにも対応できる懐の深さを持っています。特にイギリスの王族御用達のロールスロイスはサンバイザーまで本革製で、細部にわたっておもてなしの精神が貫かれていると言えるでしょう。
以前、Hell’Foundaryというハーレーのカスタムブランドからツーリングモデル用のSoft Dash(レザー調インナーフェアリング)が出ていました。バガースタイルでは塗装したインナーフェアリングが定番ですが、レザー調のソフトな素材も高級車らしくていいなーと思ってたんですが…

久々にサイト覗いたら廃盤でやんの_| ̄|○
ん〜残念!