1/15、軽井沢の碓氷バイパス(R18)で起きたスキーバスの転落事故。15名もの尊い命が奪われた他、助かった人も全員重軽傷を負う悲惨な結果となってしまった。
事故現場は下りの緩い左カーブ。そこを曲がり切れなかったバス(三菱ふそう製エアロクィーン)がアウト側のガードの突き破って3m下の沢に転落したというのが当初の報道内容だった。
この内容を耳にした当初は「ドライバーの居眠りか疾患か?しかし100mの崖から転落したわけでもないのに15人も死ぬか?」とびっくりしたが、続報を知るうちにこれはそんなに単純な事故ではなさそうだと思えてきた。
まず、転落直前のタイヤ痕によるとバスは内輪側が完全に浮いた状態だった可能性が極めて高いこと。旧道から線形改良された碓氷バイパスの現場カーブは緩く、相当なオーバースピードで進入しないとそうはならないと思われる。また曲がりきれなかったとはいえ左カーブに合わせてステアリングを切っているので居眠りや疾患の線は薄そうだ。
次に現場までの道の勾配。

事故発生現場は下り坂だったため、フットブレーキの使い過ぎでベーパーロックを起こしたのかとも考えたが、その1kmほど前までは長い上り坂だったというから疑問符がつく。いくら満席の観光バスとはいえ、僅か1,000mほどでベーパーロックを起こすようには思えない。
そして、昨日公開された現場250m手前の監視カメラ映像。

そこにはセンターラインを超えながら猛スピードでカーブを駆け抜けるバスの姿が捉えられているが、不自然なのは終始ブレーキランプがつきっぱなしであることと、その割にほとんど減速してないように見えること。単にバイパスを飛ばしていたのであれば、カーブを抜ける時はまた加速態勢に入るからブレーキランプは消えるはずだ。

また、なんとか減速しながら曲がろうとするドライバーの意思を感じる。
まさかブレーキがイカレたのか?

もしそうだとしたら、ドライバーは最期の瞬間に至るまでは相当な恐怖だったに違いない。

運行会社のESPも管理が相当ずさんなようなので、バスもきちんと整備されていたかは怪しい。
現在、事故を起こしたバスを回収して検証が行われている。タコグラフも調べて次第に真相が明らかになるだろう。