ジョルノ  ボアアップ②

前回はガソリンタンクとオイルタンクをたっぷり満タンにして準備万端!

というわけで、いよいよデイトナのボアアップキットを着けていきます。

ヤフオクで入手したこのデイトナ製ボアアップキット。未使用デッドストックのジャンク品とのことでしたが、取説以外は全部揃っていたので無問題です。ちなみにシリンダーに付着している白い粉はサビではなく、包んでいた緩衝材(紙製)の繊維が付いただけです。

早速ピストンリングを着けていきます。

まず2ストロークオイルをたっぷり塗った後、へし折らないよう慎重にピストンの溝に組み付けます。

ピストンリングの切り欠きをピストン溝の位置決めピンに合わせることで、シリンダーへの組込み時にリング直径を縮められるだけでなく、ストローク運動中も回転することなく最適位置に留まらせる効果もあります。

2個のピストンリングの切り欠き位置は相対的に90度ほどずれていますが、これは恐らく吸排気のバランスやクランクシャフトからの応力の掛かり方、シリンダー内壁への密着力を均等に配分しつつ圧縮漏れを最小限に食い止める位置関係…なのでしょうか(←知らんのかい)

続いてホンダ純正シリンダー(右)とデイトナ製ビッグボアシリンダー(左)の比較。ボア径がΦ39mmからΦ47mmに拡大されている他は一見ほぼ同じに見えます。一般的に2ストローク原付の社外ボアアップシリンダーはアルミ製とスチール製があり、アルミ製は軽量化と放熱性、スチール製は耐久性と低膨張率がウリ。今回着けるデイトナ製ボアアップシリンダーはスチール製になります。

デイトナ製ボアアップシリンダーの排気ポート形状。ホンダ純正に比べて四角くなっていて、より高い排気効率を追求した形状となっています。2ストロークエンジンといえばポート研磨チューンですが、まずはこの状態でしばらく楽しんでみます。

他のポート形状も見てみると、噂どおり全体的にしっかりバリ取りされていて好印象。ホーニングも完璧で、やはりバリ取り前提の中華製や台湾製の格安ボアアップキットとはひと味違うようです。

続いてコンロッドにピストンを組み付けていきます。それにしてもこのピストン、噂に違わずしっかりバリ取りされている上に側面に摺動抵抗低減処理(モリブデンコーティング)がされていて品質の高さが伺えます。ピストンピンとのクリアランスもいい感じにミニマムで色々期待できちゃうぜ!

そして、次にピストンピン抜け止めのサークリップを組み込みます。もし間違えてクランクケース内に落としてしまったら恐ろしいことになるのでこの作業は毎回緊張するんよね…万が一に備えてクランクケースの入口をウエスで塞いでおけば内部に落ちる事はないのですが、ばね性のあるサークリップはラジオペンチで縮めるとどこへ吹っ飛んでいくかわからんので(汗)

(つづく)