J-FORCE4 インプレッション

そんなこんなで、無事にインターコムが移植できたので早速かぶってウキウキ試走タイムです。

まずはシールドを開けてみます。旧モデルのJ-FORCE3はシールドとヘルメット本体が噛み合う箇所にノッチが10段ほど刻んであり、全開~全閉の間の好きな位置で止めることもできました。一方J-FORCE4はノッチが廃止され、よりスムーズな開閉ができる一方で全開と全閉以外では止められなくなりました。これについては賛否両論あるらしいですが、Akitoとしてもシールドちょい開けの換気ができなくなったのはこのヘルメット唯一のマイナスポイント。

一方、強力な曇り止め効果のあるPINLOCK EVOを採用したのはプレミアムスポーツジェットヘルメットとしては英断と言えるでしょう。多少値段に響くコストアップとはいえ、これほどの値段のヘルメットを買うユーザーの中に文句を言う者は皆無だと思うほど高い付加価値だからです。クルマと違ってデフロスター(エアコンの曇り止めモード)のないオートバイとしては、PINLOCK EVOはこの上ない予防安全装備といえるでしょう。

そしていよいよ被ってみます。

Akitoはちょい体が大きめなのでXLサイズを選びました。まぁJ-FORCE3の頃からそんなに変わらんだろお…おおおぉ…おろろ?チークパッドがちょいきついかな。中身のスポンジがスッカスカに減ったやつと新品を比べちゃいかんけど、夏はちと暑苦しいかもしれません。

ただし、いざ被ってみると内装のフィット感が実に素晴らしい。複雑な頭の形にムラなく均一に接するため、血流が滞ることなく長時間のライディングも安心できそうです。特に、耳たぶは圧迫しないのはもちろんメガネのアームの通り道も確保されているので、Akitoも含めてメガネの装着性を諦めていた人は特に驚くと思います。顎ひもは旧来のDリング形式で、グローブを外して両手で操作する必要があります。たまに顎ひもを締め忘れてたまま走っちゃってることがあるので、ここは片手でワンタッチ締結できるラチェット方式にして欲しかったかな。

そして走り出すと、とにかく通気性と静粛性にびっくり!

通気性は元々優れていた旧J-FORCE3のこともあって期待してたのですが、内装が頭にしっとりフィットしてる中でスーッと風が流れる感じで、まるで高級車のエアーコンディショニングシート(微細な穴からエアコンの風が出るやつ)そのものです。特に、50km/hを超えたあたりから顕著に体感できるので、汗をかく夏のライディングも期待できそうです。

ベンチレーションの開閉シャッターも5箇所→2箇所に減っていますが操作性は思った以上に良くなりました。グローブでシャッターを操作してる間は片手運転になりますが、半数以下になったことでハンドルから手を離す時間が随分減って安全運転に繋がります。まぁ信号待ちで操作しろって話ですが(笑)

静粛性については、通気性以上に旧J-FORCE3からの進化を体感できました。かといって外部の全ての音が聞こえにくいというわけではなく、「ビュービュー」や「ビリビリ」といった安全運転に不要な高周波音だけがいい感じにカットされています。静粛性に優れた高級車のロングドライブが疲れにくいように、これを被ればやかましい2ストの原付スクーターでさえたちまち上質な乗り味に!(笑)。ただしエンジンが調子を崩した時のメカノイズにも気付きにくくなるので、Akitoのセローちゃんのような低年式の過走行車に乗る人は、たまにシールドを開けてエンジンノイズを確認した方がいいかも。

というわけで、以上がJ-FORCE4のインプレッションとなります。結論としては概ね大満足!SHOEIは上位互換とされるJ-CRUISE2(サンシェード付)を推してるということもあり、もしかしたらJ-FORCE4はこのまま後継モデルが出ずに廃盤になるかもしれませんが…通気性はこちらがダントツで上なので、汗っかきな自分としては無くなって欲しくないなぁ。