ところどころ、路肩に雪の残る土曜日。
でもそんなの関係ねぇ!と言うわんばかりの勢いで、バイク仲間の岡っち(XR100改 125cc)と山梨へGo。

寒さ対策は万全にしてきたつもりだったものの、グリップヒーター + インナーグローブをもってしてでも手が寒すぎて60km/h以上出せない…普段はズビューンと抜かしていたノロノロの10トントラックをウインドスクリーン代わりにするため、背後にピッタリとストーカー走法しながら大月の待ち合わせ場所へ。
間もなく岡っちもトランポで登場し、Bluetoothインカムで会話しながらXRとセローで走り出す。

途中から国道を外れ、いよいよ路面にシャーベット状の雪が残るようになってきたところでタイヤグリップ確保のためにぷしゅ〜と空気圧を抜いてみた。うひょ〜ワクワクする!今までは路面に雪を見つけた時点で引き返してたけど、これからは先へ進めちゃうんだなぁ。

ゲレンデに通じてそうな冬景色です…

前オーナーチョイスのオフタイヤ・IRCツーリストはここで信じられないグリップ力を発揮。アイスバーンはともかく、新雪や圧雪の上ではスタッドレス並にガッチリ食いつく。てっきりテールを左右に振りながら「うわ〜死ぬ〜ギャハハ〜」と進む姿をイメージしていたのでとても驚きました。


そしていよいよR411の旧道へ。

センターラインはまだ見えてるものの、かなり自然に還りかけています。複雑な山肌に沿う形の旧道は狭い道幅と無数のヘアピンカーブで冬季通行止めの難所。それに対し、現道は山肌を貫くトンネルと谷を跨ぐ橋で終始ゆるやかな線形を実現している。快適に通過するだけなら迷わず新道だけど、昭和のワイルドな交通事情を体感できるアトラクションなら旧道でしょ!

交通が途絶えて風化してゆく旧道。

地図から抹消され、やがて地域の言い伝えとして残るだけの幻と化していくが、そこに行くと確かに存在し続けている。ほら、うっすらと見えてこないだろか?狭苦しい道の向こうから黒煙を上げて走ってくるキャブレターの乗用車やボンネットバス、ボンネットトラックたちが。道路やクルマは発展途上でも未来は明るいとみんな信じていた昭和の夢の跡。

という感じで、オフロード車2台でタイムスリップしてきました。当時を知らない30代としては、自分たちの存在しない昭和の痕跡が新鮮で超刺激的なのです。いくらこの先テクノロジーが進化しようとも、昔に存在した発展途上時代ならではのワイルドなドキドキ感はもう訪れることはないでしょう。きっとカセットテープや黒電話に興味を持つ10代の若者の感覚も似たようなものなんじゃないかなぁ。

で、肝心のセローのライディングについて。

今回は初ツーリングなのであまり無理せず、まずは普通の車両感覚を身につけることを心掛けて大人しく走りました。アクセルターンの真似事は少しできたけど、リフトアップとかはまだまだ。ただし両足がべったり着くので、姿勢を崩してもリカバリーが効く安心感は大きいです。

これから本格的に寒くなるけど、ウインドスクリーンやハンドルカバーして積極的に走りたいです(メンテもしっかりね)。