そんなこんなで、飛行機は難なく上海虹橋国際空港に着陸してしまった。

当HPはあくまでバイクサイトなので詳しく言及しないけど、中国は基本的に怖い国だと思っているので自分から行くことはまず無いと思っていた。

それが、まさかこんなに早く中国に行くことになるとは…
うっかり口をすべらせて共○党幹部の悪口を言おうものなら、壁面コンセントに内蔵された盗聴器から聞きつけた人民解放軍が戦車で突入してくるんじゃないかという恐ろしさがある。
とにかくここは社会主義国家。平和ボケなニッポンの常識など東シナ海の遥か彼方だ。生きて還るために立ち振る舞いには気をつけるか…

ふとスマホを見ると、docomoの代わりに知らない通信会社に接続していた。高額請求も怖いからSIMカードも抜いとこう。

そんなこんなで空港でタクシーを捕まえ、ひとまずホテルにチェックイン。


重い荷物を下ろして窓の外を見ると、もうすっかり暗くなっていた。


そろそろ腹が減ったなー…
Wi-Fi接続したスマホマップを見ると、バーガーキングやスタバ、セブンイレブンが近くにあることがわかった。

せっかくだから中華を食べたいところだけど、言葉の壁で苦労しそうだしフライトで疲れてるので今夜は簡単に済ませよう。
とりあえず客室を出て、ホテルのロビーに差し掛かったちょうどその時…


「おーい、Akitoさん!」

ん?なんか日本語が聞こえたような…

その声の主は、同じ時期に中途入社した数少ない同期の1人だった。

これはついてる…。今回の出張は日本から他に7人ほど来ると訊いてたけど、彼がいることほど心強いことはない。何と言っても彼は中国の四川省出身で、もちろん中国語もペラペラ。


「みんなでごはん食べに行かない?」

そう誘ってくれた彼の周りには、同じく中途入社の同期と思われる日本人が4人ほどいた。

もちろん断る理由などなく、二つ返事で便乗させてもらうことにした。

そしてメンバーが分乗した2台のタクシーは、恐ろしくワイルドな運転で夜のダウンタウンに繰り出していった。


つづく