そんなこんなで、バスルームの排水口の逆流現象をクレームとして従業員に伝えたものの、終始オッペケペーな応対をされてふて寝した僕。

一夜明けてもプンスカピーな気持ちは変わらないので、この熱いパッション、支配人に届け!と言わんばかりに、部屋に備え付けのアンケートにしっかり書いてからホテルを出た。

駅前で簡単な朝食を済ませ、乗り込んだのはJR東海道線の名古屋方面の電車。関東では在来線の大動脈のイメージが強い東海道線にに単線区間があることに驚きを覚えながら、少しローカルな香りのする4両編成の電車は30分ほどで浜松駅に着いた。

でかい…でかいぞ浜松。
高層デパートが立ち並び、何でも揃う駅前と整然と区画された郊外へ伸びる街並み。北の大都市・札幌市に似ている。

そして、ここ浜松はバイク乗りで楽器が好きなら一度は降り立ちたい街でもある。何てったってヤマハ発動機、スズキ、ヤマハ(楽器のほう)、河合楽器製作所、鈴木楽器製作所と大御所がひと通り揃っているのだ。これらを全部巡る工場見学ツアーを是非やってみたいところだけど、きっと2泊3日コース決定だろうなぁ。

それはさておき、取りあえず僕はデパートの子供服のお店へ向かった。女の子の赤ちゃんにはどれがいいだろう…今着れる服もいいけど少し未来を見据えたものがいいかな。僕が女の子を持つ親だったら何を選ぶかな。あぁ難しい、でもこう悩むのもどこか楽しい。
そして、出産祝いを買った僕はそろそろ昼ということでうなぎ屋へ。

やはり浜松といえばうなぎでしょう!

友人イチオシの「八百徳」。

浜松では有名で、地元人にも愛されているというから間違いないはず!

という目論見は見事にドンピシャで、ここで食べるうな重は適度にコシを残した食感と深みのあるタレ、敷居が高すぎない店内と、全ての要素が黄金比で合わさり実に心地良い。この味を知ってしまったら最後、甘ったるいタレでごまかした中国産のゴムみたいなうなぎはもう食べる気がしなくなってしまう。小市民は辛いぜ…

さて。浜松のソウルフードで腹を満たした僕は、友人と約束の場所で待ち合わせ。雪がパラつく中、クルマで現れた友人と4年ぶりに対面を果たした。こういう友人との再会の話になると、大抵は「相変わらず昔から変わってない」的な書き方になりそうなもんだけど、この友人の場合は魅力的な方向に変化していた。いい人と結婚したんだなぁと助手席で改めて思っていると、間もなく友人宅へ到着。そこで抱かせてもらった生後3ヶ月ばかりのベビー。これがすんげー可愛いのなんのって。これが新しい人類か…プレゼントした服似合うかな…

その後、駅前のカフェに移動してしばしご歓談。

この4年間でお互い色んなことがあって、それに合わせて少しづつ変化していた。きっとこれからもそれは続いていくだろうし、生き物である以上は止めることはできない。激動の時代に翻弄されながらも、その中で大事にしたいものを見失わなければこの先も大丈夫な気がした。

N700系ひかり号 東京行きの窓から急速に遠ざかる浜松の街並み。この出張もあと数時間で終わろうとしている。自分で踏み出して選んだ道だから、このチャンスを何としてでも結果に結びつけたい。
あの時の選択は正解だったといつか胸を張って言えるように、まだまだ半人前のサラリーマンは今日も汗を流し続けている。