「次期iPhone7は更なる薄型化のためにヘッドホン端子廃止が検討されている」。
Macお宝鑑定団blogによれば、現行iPhone6Sまで採用されているアナログヘッドホン端子(3.5mm 4極ミニプラグ)はiPhone登場の遥か前から存在している世界標準規格ですが、これを廃止することで更に1mm以上の薄型化が可能になるとのこと。

アナログヘッドホン端子の廃止は薄型化の実現としてはポジティブな要素ですが、同時に端子に接続するアクセサリーが一切使えなくなることも意味します。iPhone専用の高音質なリモコン付ヘッドホンも使えなくなりますし、システムステレオやカーナビにAUX接続をして音楽を聴くこともできなくなります。

しかし、iPhone7では音楽を一切聴けないわけではありません。iPhoneは初代モデルよりBluetoothが実装されていますので、Bluetoothイヤホンマイクで音楽視聴や通話をすることはできます。また、現行のLightning端子にはデジタル音声出力の信号がありますので、これに外付けのD/Aコンバータ(Digital→Analog変換装置)を介して従来型のアナログヘッドホンやAUX接続をすることは可能です。とはいえ、更なる薄型化を目指すポータブルデバイス・iPhoneなのにD/Aコンバータを別に持ち歩くのはナンセンス。

最終手段としては、やはりLightning端子に直挿しできる、超小型のD/Aコンバータを内蔵したリモコン付ヘッドホンでしょう。以前このブログの記事にも挙げましたが、対応しているものとしてPHILIPSのFidelio M2LのようにD/Aコンバータ内蔵型のLightning直挿しヘッドホンがあります。

同様の製品が競合他社からなかなか出ないのは、 Lightningデジタル音声出力が24bit/96kHz以上のハイレゾに対応していないことで、ユーザーとしては数万円の投資に見合った効果が得られない(つまり売れない)と踏んでいるからなのでしょう。

しかしAppleもハイレゾ対応のLightning端子を開発しているようですので、iPhone7の登場時に採用されればLightning直挿しヘッドホンは一気に増えると思われます。
僕としては嬉しい展開なのですが、今までヘッドホン端子に気軽にイヤホンをぶっ挿していた一般ユーザーにとっては正直微妙だろうなぁ。大体これ以上薄くしたらケツポケットに入れてしゃがんだらすぐベキっと折れそうだし、カメラがますます飛び出てきそう。大体そんな余裕があるならバッテリー容量を増やせというのがユーザーの声だと思う。

おそらく、Appleのヘッドホン端子廃止の真の狙いは認証ビジネスによる収入でしょう。LightningケーブルがAndroid用ミニUSBケーブルに比べてバカ高いのは、元々の製品代にApple認証のライセンス料(通称Apple税)が上乗せされてるからなのです。世界標準規格のアナログヘッドホン端子だとApple認証が無くても動作するけど、LightningイヤホンにすればApple認証が無ければ動かない。iPhone本体だけでなく、他社が開発した周辺機器からも利益をGETできるからビジネスとしてはアリなのかもしれませんが、ユーザーはそのえげつなさに果たしてどこまでついていけるかな?

ソニーの二の舞にならないといいけどね。