本場では”Dresser”と呼ばれる、いわゆるカウル付ツーリングモデルにはオーディオが装備されています(FLHTを除く)。
FLTRも例外なくオーディオが着いていて、速度感知式ボリュームとあいまって快適なサウンドクルーズが楽しめて・・・

ません。(キッパリ)

バイクは密室状態のクルマと違い、排気音、メカノイズ、ロードノイズ、風切り音、ヘルメットなどの邪魔な要素がいっぱい。
クルマと比べると、走りながらオーディオを聴くには厳しいものがあります。
特にマフラーを社外品に変えた場合、ノーマルの2スピーカー状態だと大して速度が出てなくても聴こえにくい。

対策として、4スピーカー化で音量も2倍になり、とりあえずこれで不満は解消されるかと思いました。しかし、音量はたしかに増えたものの音質は相変わらずショボいままで特に低音が聞こえにくい。やはり2輪で音楽を楽しむには色々と厳しいものがあるのでしょうか。

でも・・2輪でオーディオというのは僕のこだわりであり憧れです。
なんせ、小学生の頃はチャリンコの前カゴに電池入りのラジカセ入れて校庭を走り回っていたぐらいのですのでハーレーでも理想のオーディオで音楽を楽しみたい。というわけで第2次音質強化プロジェクト始動です。

まずは4個のスピーカーを高音質の社外品(HOGTUNES)に変更し、音域と最高出力に余裕を持たせました。
そして・・・オーディオ付ハーレーに乗ったら是非やってみたかった、最大のバカスタムを実行してしまいました。

その名はサブウーファー!
装着して以来使っていないロワーフェアリングのグローブボックススペースにでも埋めこんでみたい。

しかし、ハーレー用サブウーファーなんてもちろん売っていません。
ツーリングモデル用カスタムスピーカーブランドのHOGTUNESからはFairing Lower Woofer Kitというものが発売されていますが、付属のウーハーユニット(スピーカー)の周波数特性は100~7000Hzと高め。サブウーファーとしての重低音は期待できない数値ですが、どうやら記述によればサブウーファーのように重低音を出せるものではないとのこと。

一方、日本では複数のカーオーディオブランドからクルマの用コンパクトなサブウーファーが発売されています。
というわけで、あの中身を流用してロワーフェアリング・サブウーファーを自作することにしました。

まず用意したドナーはコレ。

KENWOODのKSC-WX1という型落ちのコンパクトサブウーファーをヤフオクで2つGET。
一見、どこにでもありそうなタイプですが・・・

大抵のサブウーファーユニットは20cmオーバーなのに対し、この中に入っているのはなんと直径13cmのサブウーファーユニット。これがロワーフェアリングのグローブボックスにピッタリなのです。
しかも周波数特性も20~160Hzと低く、小型ながらもしっかりサブウーファーらしいスペックです。
ちなみに画像だと上下に2つユニットが搭載されているように見えますが、下のものはユニットではなくパッシブラジエータという振動版のため今回は使いません。


ここでロワーフェアリングが登場。
ロードグライド用の旧タイプはグローブボックスの容量が小さいですが、こちらはエレクトラグライド用の大きいタイプです。これでないとサブウーファーユニットは装着できないので注意。


HOGTUNESから出ているFairing Lower Speaker Kits(現在生産中止)のスピーカー用フレームをロワーフェアリングのグローブボックスに着け、サブウーファーユニットを装着できる状態にします。

現在はハーレー純正のBOOM!AudioやHOGTUNESから7インチのロワーフェアリングスピーカーキットが出ています。
このキットのスピーカーフレームを使えば、KSC-WX1のものより更に大きな17cmユニットが搭載できるのでこちらの方ががお勧め。

そして手に持っているのはFITTED GLOVE BOX LINER KIT (P/N : 58714-06)。
本来こいつはグローブボックス内部に入れるキズ防止用ライニングなのですが、今回は吸音材として使ってます。


このようにロワーフェアリングBOX内の複雑な凸凹形状にもぴったりフィット。
デッドニングの手間が省け、低音の響きも断然違ってくるのでおすすめ。


KENWOODの13cmサブウーファーユニットを装着してみたぜの図。
見事にボルトオンですんなり着いちゃったので少し感動です。


HOGTUNESのFairing Lower Speaker Kitsに付属のスピーカーグリルを着けました。
メッキモールはインナーフェアリングのスピーカーグリルと同じイメージになるように自分でペタペタ貼り付け。


次はアンプ編です。
せっかくサブウーファーユニットを装着しても、アンプもサブウーファー用でないと重低音が出ません。というわけで、サブウーファーに入っているものを使います。

今度はKENWOODのKSC-SW2000という、90年代のトヨタ製ミッドシップスポーツカーみたいな型番をヤフオクでGET。


早速無残にもバラバラにしてしまいます。

冒頭のKSC-WX1との最大の違いは、ウーファーユニットが2ch(2個)のためアンプも2ch分の出力を備えている点。これがお目当てだったので、それ以外のものは用なしです。


摘出したkSC-SW2000のアンプ。
手のひらサイズとまではいきませんが、頑張ればフェアリング内部に収められそうな大きさです。


摘出した丸裸のアンプではスイッチや端子の意味がわからないので、役割を書いたシールを貼っておきました。


フェアリングを外して電源(アクセサリスイッチ連動)、スピーカーから分岐させたケーブル、サブウーファーユニットを接続し、まずは音がサブウーファーからちゃんと出るのを確かめます。
ここでサブウーファーが搭載できたことに感動してしまうところですが、とりあえずフェアリングを元に戻してアンプをリヤシートにくくりつけます。


タンクにテープで止めた配線がダサいですが、そのまま試走へレッツゴー!
実際にバイクを走らせながら、サブウーファーの音が一番聞こえやすい周波数特性になるようにアンプのつまみを調整します。


調整が終わったらフェアリングを外し、いよいよ内部にアンプを取り付けます。
KSC-SW2000はリモコンで遠隔操作で周波数特性を調整できるような最近のタイプではなく、アンプ本体のつまみでしか調整できません。つまり、フェアリング内に収めてしまう前に周波数特性の調整が必要だったということです。

ホムセンの汎用ステーを駆使して、フェアリングステーのボルトに共締めします。


アクセサリソケットから電源をとり、サブウーファーを手元のACCスイッチでON/OFFできるようにしました。
でもスイッチの表記が”ACC”じゃ味気ない・・・


というわけで、パソコンでこんなものを作って貼り付けました。
市販の耐水性ネームシールなので水をかぶってもインクが滲むことはありません。
(文字は”SUB WOOFER”の方が良かったかも・・・)


そして完成!

オーディオカスタムを施したクルマのようにドッコンドッコンとまではいきませんが、今までより明らかに低音が豊かに聞こえるようになりました。またハードサドルバッグなどの収納スペースを犠牲にせず装着したためデメリットは一切なし!
好きな音楽をいい音で楽しめると、ツアラーの旅はもっと楽しくなります。



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