
さて、いよいよ作業スタート!

メーターカバー類を全て外し、アッパーステムナット(中央のでかいナット)とフォークキャップを外し、ハンドルごとアッパーブラケットをごっそり外します。

そして現れたステムナット君。
案の定ゆるゆるだったので、フロント周りのガタの原因はコレで間違いなし!
タガネ方式でナットをカンカン締め付けて終了といきたいところですが、せっかくなのでステムナットを外してみましょう。

ステムナットを外すと、アッパーステムベアリングが出てきました。グリスは結構少なめで早急なグリスアップが必要な状態。ハーレーのFLTフレームはステムサイドにグリスニップルがあり、ステムをバラさずにステムベアリングのグリスアップができますが、ここはあえてバラしていきます。

ステムベアリングの状態を確認し、パーツクリーナーで古いグリスを完全に落とします。まだまだいけそうだったのでひと安心!

続いてフレーム側のベアリングレース(ベアリングローラーの当たり面)もパーツクリーナーで古いグリスを落としてみると、新品同様ではないにしろ問題ない状態であることを確認。まぁ問題があってもSST(特殊工具)がないと引っこ抜けないんだけどね(汗)

洗浄したベアリング類にウレアグリスを塗ったくっておきます。

ロワーステムベアリングも、念入りに洗浄して正常な状態であることを確認。こちら側はアッパー側より負荷が掛かりやすいのでローテーションしたかったのですが、ステムシャフトに圧入されててSSTがないと引っこ抜けないので断念。

ロワーステムのアウターレースもまだいける事を確認。もし今後もガタツキを放置し続けたら打痕がついたかもしれないので、やはり直すにはこのタイミングしかないと確信しました。こちらもアッパー同様にいつかは交換すべき時が来るんですが…どうしよう、SST高価なんだよなぁ(涙)

こちらもウレアグリスを塗ったくります。こうしてうるおいケアしてあげると愛車が喜んでる声が聞こえてくるようです。劇的な変化ではないかもしれませんが、新車並のスムーズなハンドリングに期待!

グリスアップの次はステムAssy(トリプルツリー)をサクサク元通りに組んでいきます。ステムベアリングナットは規格値よりほんの少しタイトに締め付けましたが、ベアリングをしっかりグリスアップしたので問題ないでしょう。
余談ですが、愛車を自分で弄るようになると車体に負荷を掛ける乗り方を避けるようになります。今回はステムを初めてバラして色々勉強になりましたが、ベアリングの構造を考えるととてもバーンナウトとかする気になれません(笑)。

そしてアッパーステムブラケットとメーターカバー、フロントフォーク、フェンダー、ホイール、キャリパーを規格トルクで組み付けて完成!

早速テスト走行へGo!
それなりの速度で緩いコーナーを左右に切り替えしてみて、ハンドリングに問題ないことを確認。凹凸の多い道で加減速しながら旋回してみたり、停止しながらフロントブレーキを掛けて車体を前後にゆさゆさするイジワル試験を繰り返してみましたが、フロント荷重を大きく変化させてもガタツキがまったく出なくなりました。
結論としては、やはりステムベアリングナットの緩みが原因だったようです。最初はフロントフォークに原因があると勘違いしたことで前回から僅か3,000kmほどでオーバーホールする羽目になりましたが、こちらも結果的にサンダンスTraktekの最新セッティングにアップデートできたので良しとしましょう(笑)。