
梅雨も本格的になってきて、いよいよ蒸し暑いシーズンとなってまいりました。
たまに梅雨の合間にTryfinity2に乗ると、30℃近い気温で夏が近付いていることを感じます。車体のパワーピジョンのモニターを確認すると、渋滞気味になるとシリンダーヘッド温度がみるみる160℃を超えていくので心臓に悪いったらありゃしない。
15年ほど前、旧Tryfinityで真夏の環八の渋滞でオーバーヒートでエンストした後に自作のクーリングファンを着けたら全く再発しなくなった経験があり、このTryfinity2でも自作のクーリングファンを着けてやるぜ!

そんなわけで、ヤフオクで調達したイタリアSPAL社製のクーリングファン。イタルジェット・ドラッグスター175のラジエーターファンとして使われていたものです。旧Tryfinityに着けていたファンの直径はΦ145mmでしたが、今回はΦ175mmにサイズアップしてみます。もちろん、このままではすんなり着くはずもないので…

まずはシュラウドから伸びている、不要なブラケット形状をぶった切ります。流用カスタムとはいえ、いかにも素人が無理矢理着けた感が出ないようビジュアルにもこだわります。
ただし、これを無くしてしまった以上、車体にどうやって取り付けるのかというと…

ファンの背面に突出している、モーターハウジングにホームセンターの汎用クランプとL字ステーを組み合わせます。これをタンク左側のホーンの代わりに着けちゃいましょう。

いい感じに収まりました。
電源はフェアリングのACC(アクセサリ)スイッチのON-OFFで動作するよう接続してあります。
でも如何にもファンを吊り下げました感が強いので、後に周囲のクロームパーツとマッチするべくドレスアップしましょう。
ところで、この位置に元々着いていたノーマルホーンはファンを取り付けるために外してしまったため、移設することにします。

というわけで、せっかくだからノーマルより強い音色の社外品ダブルホーン(4輪用)にしました。チラリと見えても存在感のない、PIAAの艶消しのダブルホーンをチョイス!

移設先はロワーステムブラケットの下にしました。取付位置はエンジン冷却の邪魔にならず、覗き込まなければ見えず、フロントがフルストロークしてもフェンダーに当たらない場所。そして取付方向も警笛が聞こえやすく、雨水が浸水しない向きにセット。リレー配線をしっかりやれば、実にダイナミックな2和音で注意喚起してくれるので、たとえクーリングファンを着けなかったとしてもこの場所へのダブルホーン取付は超オススメです。

少し話が脱線転覆しましたが、エンジン左サイドに着けた無粋なクーリングファンをドレスアップしていきます。用意したのは5.5インチヘッドライト用のトリムカバー。¥1,000ちょいの安物で、もし着かなくても簡単に諦めがつく最高の素材です(笑)。

直径Φ175mmのファンシュラウドより微妙に大きいですが、スポンジテープで隙間を埋めればピッタリフィット。流用したのは安物のヘッドライトトリムカバーですが、意外とエアクリーナーみたいで違和感なく収まった気がします。プッシュロッドの見当たらない空冷Vツインに丸型エアクリーナーっぽい組み合わせは、自分としては昔乗っていたSPITFIRE(ヤマハドラッグスタークラシック)みたいで懐かしくていい感じ。
肝心の冷却性能についても期待以上でした。
渋滞でのアイドリング中にシリンダーヘッド温度が160℃を超えたのでONにしてみたところ、およそ5秒ごとに1℃づつ下げていって最終的には120℃前後に抑えてくれました。これは渋滞で止まっていても時速60km/h程度の走行風を当て続けてくれることになるので、1690ccの空冷エンジンですが夏の渋滞も怖くなくなります。油温については下がるのにもう少し時間は掛かるでしょうが、少なくとも全く風が当たらないよりは違うはず。
将来のエンジンチューンで更に熱量が増加する可能性も考えると、このビッグな安心感は正直嬉しい!
このファンを作動させるとたちまちシリンダーの熱を奪ってくれるのは良いのですが、唯一の欠点はエンジン右側から出てきたファンヒーターのような熱風が右脚に直撃すること。ただでさえ右脚はエキパイの影響では普段から熱いのに、これはライダーを犠牲にしてでもバイクを守るという愛に溢れた装備というわけです(笑)。
ファンの配線のプラスマイナスを付け替えることで逆回転させて、送風方向を押込みから吸出しに変えようか検討中です。