7/28、日本無線(JRM)から二輪用ETC2.0車載機「JRM-21」が登場します。

ミツバサンコーワ製に続いて早くも第二弾となるETC2.0車載器ですが、ETC1.0規格のアンテナ分離型の従来型(JRM-11)よりも防水性能が上がっているそうです。またETC2.0の通信用のGPSアンテナが新たに内蔵され、圏央道の2割引にも対応。以上、終わり!

……え、それだけ?

ETC2.0の最大の特徴である、肝心の渋滞/事故情報や安全支援情報を受信して運転者に知らせる機能…え、そんなもん無い?はぁ、そうですか…

ミツバサンコーワのMSC-BE700は、ほぼ役立たずとも一応ETC2.0の道路情報をピカピカ知らせるLEDインジケーターが着いていて「ぼくがかんがえたETC2.0用の機能だよ」という姿勢が見られましたが、日本無線のJRM-21はそれすら最初から放り投げています。GPSアンテナを新たに装備したことをアピールされても、メリットがあるのはそこから通行車情報を集められる高速道路会社側であって、ユーザー側は従来型からの¥4,000近い値上げ分を新たに課せられるだけというドM向けのモデルというわけです。
つまり、JRM-21はETC2.0の本質である双方向通信には対応しておらず(厳密には双方向通信はできているけど運転者には知らされない)、ETC2.0の普及促進策である高速料金割引への対応を主目的としただけの高上がりの車載器と結論付けられます。

一応、圏央道2割引の他にも「通行止めのために一旦高速を降りて再入場しても、そのまま乗り続けているのと同じ料金にする」「渋滞箇所を別ルートで迂回した場合、割引料金を適用する」の2つが国交省によって検討されているらしいですが、ETC1.0で検討されていた「コインパーキングやドライブスルーでの支払い」も未だに実現していないこともあり、お役所の「検討」はいまいち信用できません。実現できるとしても数年先な気がするし。

ETC1.0車載器の需要が一巡し、一般財団法人ITSサービス高度化機構(旧ORSE:国交省、経産省、警察庁の天下り団体)へのセットアップ料金(上納金)が減った今、ETC2.0を新たに普及させるために現行のETC1.0はそう遠くないうちに強制終了となるでしょう。その頃に今のより魅力的なモデルが登場していることに期待して、しばらくはスルーかな。