ジョルノ  ボアアップ⑧

慣らし期間が終わってキャブセッティングも出たことだし、いよいよ高回転域の封印を解いちゃうぜ!

というわけで早速プーリーカバーを開けます。今回はドライブベルトも新品に交換するので、その前に一応ドライブベルトの幅を測ってみます。ベルト幅の規定値は18mm(使用限度下限17mm)ですが、果たして…?

アッー!!!

こ、これは…使用限度ってレベルじゃねーぞ。一瞬15mm幅のAF24(ジョルノ)用ベルトかと思ったけど、印字されていたパーツナンバーからAF28(スーパーディオZX)用で間違いないらしい。3.4mmも減ったのにぶった切れないのは流石純正品といったところでしょうか、

んで、今回用意したドライブベルト(NBS製)。AF28ZXとAF35ZXに使えるとかなんとか。もしかしたらほんのちょっと長目なのかな~と思いながらも、減りまくったベルトより全然ましだと思い、あまり気にせず使ってみることにします。だって純正品高いんだもん…

幅はしっかり18mmジャストでした。

純正品が廃盤になった古いオートバイの整備によく使われるNBS製の品質は、下手な社外品よりしっかりしていると聞きます。今回どれだけもってくれるのか…レッツ人柱!

古いベルトをポイする前に、新しいのと比較したら一目瞭然。今まで長らくお疲れさまでした…点検整備はしっかりね☆(←お前がな)

続いてウエイトローラーを軽くします。

スクーターはいわばCVT(無段変速)ですが、加速中に高回転(パワーバンド)を維持したまま変速するようにするわけです。

今回用意したのはドクタープーリーという異形ウエイトローラー。通常の筒形ウエイトローラーとの違いは、変速域が低速側と高速側の両方で0.5g分づつ広がるとのことでネット上の評判も上々のようですが、当初はなぜそうなるのか理解できていなかったため、「ランププレートへの接触面がフラットなので偏摩耗しにくそうだな~」ぐらいに考えていました。

とはいえ、一応エンジニアの端くれなのでドクタープーリーの仕組みはどうしても知りたい!というわけで模式図を作ってみました。

こいつはすげぇ…!!

変速前(低回転)ではウエイトローラーをやや小径にしたのと同じ状態になり、プーリーの押し出し量が減少。その結果、ドライブプーリー中心へのベルト落とし込みがより深くなり、よりローギアでの発進となる。

変速後(高回転)はウエイトローラーをやや大径にしたのと同じ状態になり、プーリーの押し出し量が増加。その結果、ドライブプーリーの更に外側へとベルトが移動し、よりハイギアでの巡航となる。

こりゃたまげたね。

考えたヤツは本物のスクーター馬鹿!

(↑褒めてます)

今までは慣らし期間中ということで9g × 6個の筒型ウエイトローラーでしたが、今回用意したのは7g × 6個のドクタープーリーウエイトローラー。早速ハイスピードプーリーに組み込んでいきましょう。

グリスはモリブデンを使ってましたが、毎回ランププレートを開けた時に炭化して悲惨な状態になっていたので、今回から200℃まで耐えられるウレアグリスにしてみます。

プーリーをクランクシャフトに嵌めたら、ベルトの当たり面にマジックで印をつけておきます。どれだけ外側まで移動できるのか楽しみ!

というわけで、次回はいよいよテスト走行。

高回転の封印を解いた真のポテンシャルを目撃せよ!!

(つづく)